『パリの名前』

綾人はすぐさま瞳小夜子にメールを送った。

もしこの女がパリじゃなくても、もう1人の方だと分かるし間接的に近づくことができる。

そして・・もし本人ならば・・この上ない!!


「手紙ありがとう。一度話してみたい。水曜日の昼休み図書室で。」


こうして悪魔のメールが・・送信された


そして瞳からの返信には、

「その日は受付にいます。待ってます。」

そして綾人は再び狂ったように笑う。

すでに綾人の頭の中では、あらゆるケースのシナリオが用意されていた。


来たる水曜日・・

綾人はこの日を小学生の遠足の前夜並みに待ち遠しく感じていた。

「早く・早く水曜日になれ!!早く逢わせろ!!」

綾人は高まる高揚感を抑えきれずにいた。

そして瞳もこの日を楽しみにしていた。


もうすぐ4時間目が終わる・・

綾人は

「さっさと終われよ、クソ教師。てめぇから教わる事なんて何一つ無いんだよ。

よしあと3分!・・・・3分ってこんなに長かったか?

・・・止まってんじゃねぇだろうな?」


チャイムが鳴り、長かった3分間が終わった・・・

まるで試合で殴られ続けたボクサーのような感覚だった。

綾人は昼飯を食わずに図書室に向かった。

そしてたった今、図書室の鍵を開けようとしていた図書委員と出会う・・


この娘は・・・パリ・・パリだ!

計算してなかった訳じゃない。

だが世の中がすべて自分の思い通りに動いているようで・・

興奮して気が狂いそうだ。

あとは頭の中で描いたシナリオどおりにコトを運ぶだけだ。


  瞳 小夜子 それが パリの名前

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