〜好き?嫌い?そのに〜 ごーん、ごーん、ごーん 遠くから除夜の鐘の音が聞こえてくる 俺が美帆と出会ってからもう6ヶ月も経つのか・・・・・時の流れは速いな そう思いながら隣でミカンを食べている美帆を見る ミカンの皮が硬かったのか、むーと頬を膨らませている それを面白く思いながら俺はふとこの状況を考える 場所はこの俺の部屋、一応言っておくが俺は家族とは暮らしていない 二人っきりというシチュエーション、健全な男子ならば・・・・・なぁ? だが俺はそんなことはしない、いや、できないのが正しいのか 「そーや、皮がむけないよぉ」 「ん?ああ・・・・・ほら」 「えへへ、ありがとー」 俺と居るだけで楽しそうにしているのだ、これだけでいいだろうと思う これ以上は高望みだと思う・・・・・俺としてはだけどな 美帆がどう思っているのかは分からない、でも一緒に居たいという気持ちは分かる この状況からしてそうだ、ずっと俺に寄り添ったままだからな 「なぁ美帆」 「なーに?」 「家族と年越ししなくていいのか?」 ふと、美帆の家族のことを思い出す 美帆は両親と姉、そして妹の5人で暮らしているはずだ なのに年越しを俺と過ごすのは少しおかしいのでは?と思う 俺も家族と年越しをしようと思っていたが、都合上それは無理だった 「うーん、でもお父さんもお母さんも宗谷君と過ごしなさいって言ってたけど」 「・・・・・・・・・・・・・・・なるほどな」 まあ、美帆の両親だ・・・・・きっとそういうことだと思っていたさ ただ・・・・・信じたくなかっただけで、そう、それだけだ そうであることを信じながら俺は年越しの特番を見る いつも同じような内容なので面白味の欠片も無いが、美帆が居るからいいだろうと思う 「ねえ、そろそろお蕎麦食べよ?」 「そうだな・・・・・って俺が作るのか?」 「うんうん、そーやの料理、美帆より上手だから」 「そりゃ3年間主夫だったけどさ・・・・・」 「うん、なら決まり〜」 えへへーと笑いながら蕎麦を渡してくる美帆 言っておくがこの蕎麦も俺が打ったものだ・・・・・惚れるなよ? めんどくさいと思いながらも美帆の笑顔には負けるわけで、しょうがなく作る まあなんだ・・・・・惚れた弱みってやつだよ しばらくして蕎麦を食べ、俺たちは年を越す 年越しを終えたらまずは初詣だな そう思いつつ俺はコートを羽織る、そして隣にある一回り小さいコートを持つ このコートは美帆の物だ 「ありがとー」 「ん」 コートを美帆に渡しながら俺は小さく答える 美帆と歩いていると本当に身長差を感じざるを得ない、30ぐらいだっけか しかも外に出ると美帆は一変、ムスッとした顔になる やはり人前だと俺と話すのは恥ずかしいらしい 「うぅ、なによー」 「いんや、初めの時よりもずいぶん柔らかくなったなってさ」 「ふ、ふん!」 そっぽを向いているが握った手はぎゅっと俺を離さない まったく、行動と仕草が逆なんだからなぁ・・・・・ そんな美帆を見て苦笑しつつ俺と美帆は神社に向かう 神社は俺の家から徒歩5分程度の場所にある、けれど毎年参拝客が大勢来るのだ 「そ、そーやは何かお願いするの?」 「そうだな・・・・・・・・・・ひみつだ」 「ず、ずるーい!」 むくれる美帆を宥めながら俺は参拝の列に並ぶ 渋々美帆も並ぶが、顔が笑顔になっているのは見逃さない 起こっているように周りからは見えるが、かなり喜んでいるようだ まったく・・・・・本当に幸せな奴だなと思う 「ほら、私たちの番よ」 「ああ・・・・・分かってる」 俺と美帆はお賽銭を入れると二人で手を合わせる さて、今年は何をお願いしようか・・・・・ やっぱりあれだな・・・・・美帆とずっと一緒に居られますようにってな 欲張らないのがモットーあるから俺はコレだけ、美帆はどうだろうな 「美帆は何をお願いしたんだ?」 「そーやが教えてくれないと教えないもん」 神社の帰り道に俺は美帆に聞くが、先ほどのことを根に持っているようだ しょうがないお姫様だと思いつつ俺は苦笑する まあ、しょうがないと思えるだけでも俺はすごいと思うがな・・・・・ まったく、惚れた弱みは辛いなぁ・・・・・ 「んじゃ、言うか」 「・・・・・え!?」 「なんだ、聞きたいんじゃなかったのか?」 「あ、う・・・・・そ、それは・・・・・そうだけど」 「ん・・・・・了解」 俺はそう言って美帆の耳元で言う なぜそうするかって?恥ずかしいからに決まっているじゃないか 俺の言葉を聞いて美帆はかなり顔を真っ赤にしていた 恥ずかしいのだろう、俺も恥ずかしい 「よ、よくそんなことふつーに言えるわね」 「だって普通だから」 「うぅ・・・・・」 本当に恥ずかしそうに俯く美帆 だが美帆はバッと顔を上げて俺の背中に抱きつく 発育途上の感触と暖かさを感じつつ俺は美帆を背負う たぶん美帆の顔は真っ赤だろう、体温が熱い 「わ、わたしね・・・・・そーやと結婚できますよーにってお願いしたの」 「・・・・・・・・・・なあ美帆」 「な、なに?」 「それ、俺よりも恥ずかしいお願いだな」 「わわっ!今の取り消し〜!!」 「い〜や、取り消せないな・・・・・この耳でしっかりと聞いたから」 うーと唸っている美帆を背負いつつ俺は自宅に向かって歩く ぽかぽかと背中を叩く美帆だが、次第にそれは納まっていく 「さて、これからどうしたものやら・・・・・」 「え?」 「えって・・・・・結婚するんだろ?待っててやるよ、結婚年齢とどくまで」 「あ、う・・・・・」 顔を先ほどよりもさらに真っ赤にした美帆 俺はそれを見て苦笑する・・・・・そこまで照れることか? そう思いつつ俺は玄関の鍵を開け、中に入る バタンと扉を閉めると、いきなり俺は天井を見ることになった 「・・・・・・・・・・一体何が?」 「そ、そーやが悪いんだから・・・・・」 「・・・・・・・・・・おいおい」 「ぎゅーっとしたいの我慢してたのにー」 ・・・・・・・・・・いや、普通に背中に抱きついてきたでしょうが 「家の中ならぎゅーってしても恥ずかしくないからおっけー♪」 「・・・・・・・・・・本当に性格変わるよな」 「そーやのせいだよ〜」 すりすりと顔を俺の腹にこすり付ける美帆 ・・・・・・・・・・猫かおまえは 「えへへ、ずーっと一緒だよ、そーや♪」 「・・・・・まあ、そうだな」 ぎゅーっと抱きついてくる美帆を抱えながら俺はそう答える まあ・・・・・こんな正月も悪くは無いと思う 大切な人が一緒に居るから・・・・・・・・・・な? ≪Fin?≫
〜後書き〜 ツンデレ小説その2・・・・・完結編? 藤祭的にはまだ続きそうに感じますが、コレで一応完結です。 続編希望があったら掲示板にお願いします 小説をでれでれな美帆でお送りいたします〜