うそつき
私だけだと思ってた、彼を理解できるのは
私だけだと感じてた、彼を抱きしめられるのは
けれどそれは違っていた、何て、簡単な嘘だったのだろう
彼はとっても、うそつきだ、そう・・・・・うそつきだ
私の心を攫っていき、そして捨てていく
私のぬくもりを求めて、そして捨てていく
私だけだと思ってた、彼の笑顔を見れるのは
私だけだと感じてた、彼が本音を言ってくれるのは
けれどそれは違っていた、何て、簡単な騙しだったのだろう
彼はとっても、うそつきで、そして・・・・・悲しい
ある日突然告げられる、別れて欲しいと告げられる
私だけ理解できていなかった、どうしてと問いかける
彼は悲しそうに呟いた、僕には君は大きすぎる
それが嘘だと分かったのは、彼と別れて数時間後
どうして嘘だと気付いたのかは、分からない
けれど彼はうそつきだ
嘘で嘘を塗り固め、私のためだけに嘘をつく
そんな彼が好きだった
大好きな彼は他の人と歩いていく
私の好きだった笑顔を浮かべて歩いていく
その顔は少し寂しそうで、泣きそうだった
ああ、やっぱり彼は私のことを少しでも思っていたのだ
そう感じさせられてしまう、笑顔だった
そんな優しい彼だから、私は涙を流さない
あの笑顔も私のための嘘だから
笑顔で去っていく、精一杯の嘘だから
だから私も笑顔で別れる
去っていく彼を思いながら
いつの間にか、自分も、うそつきになっていた
後書き
お題【う】で題名【うそつき】です
恋人だった人のことを理解していると思っていた彼女、しかしそれは違っていた
彼は嘘を付いていた、そして巧妙に騙していた
けれど彼女はそんな彼が好きだった、だから自分もうそつきになってしまった
ってな感じの短編に仕上がったと思います