巨大な光が俺の前に出現し、上空から降ってくる・・・・・
あぁ・・・・・これで、終りなのか
浩平「裕也ぁぁぁぁぁ!!!!」
みさき「終りだ・・・・・エルハンス」
俺の目の前に光が降り注ぐ・・・・・
浩平の叫び声が聞こえてくる・・・・・
みさお「だめぇぇぇぇ!!!」
【我流――閃矢】
ズドン!!
目をつぶる前に俺が見たのは、折原浩平の妹、みさおちゃん
しかも勇ましく矢を放っており、俺にとっては救いの女神にも見えてしまった・・・・・
桜散るこの島で・・・
【終焉ト始マリ】
目を開けるとそこには驚愕の目でみさおちゃんを見るみさきの姿があった
まあそりゃそうだな・・・・・魔法を貫かれて消滅させられたのだから
みさお「ゆっ、裕也さん!?」
裕也「来るな、みさおちゃん!」
俺の姿を見られたくない・・・・・俺のことを、少しでも好いてくれているのなら、尚更だ
だから、俺は唱える・・・・・自らを隠す魔法を
裕也「暗闇を生み出せ・・・・・」
【ダークミスト】
みさお「なにも・・・・・見えないです」
浩平「みさお、こっちだ!!」
みさお「お兄ちゃん!?」
暗闇になった時、みさおは浩平に手を引っ張られて明るい場所まで移動させられる
そしてみさおは前方を見る、そう、暗闇で全てを見えなくさせられた世界を・・・・・
みさお「裕也・・・・・さん」
浩平「・・・・・ここは、裕也に任せよう」
みさお「・・・・・・・・・・うん」
ゆっくりとだが、みさおは頷く
これぞ精神力の強いものの証・・・・・通常ならば突っ込んでいるだろう
裕也「・・・・・みさおちゃんまで来るとは、こりゃ皆来るのが必須か」
みさき「どうする、このまま終りにするか?」
裕也「ああ・・・・・お前を消して終りにする!」
みさき「戯言を!」
俺の真紅の槍とみさきの剣がぶつかり合う
暗闇だというのに火花が散り、明るく灯す
裕也「・・・・・・・・・・全て、終わらせるんだ」
みさき「そのようなこと・・・・・できるわけがなかろうに」
裕也「いや・・・・・できるんだよ、一つだけ方法がある」
みさき「なっ・・・・・その方法とは・・・・・まさか!!」
俺の思惑に気がついたみさきの顔は初めて恐怖に彩られる
やはり殺戮天使とでも俺の思惑には恐怖しているようだな・・・・・
裕也「さあ・・・・・終焉だ、みさき・・・・・いや、殺戮天使!!」
みさき「ぐっ・・・・・あぁぁぁぁぁぁ!!!」
ガキン!!ガキィン!
みさきの剣戟を押さえ込み、俺は詠唱を始める
そう、最後の詠唱を・・・・・始めるのだ
詠唱を始める時、ダークミストの効果が切れる
だがそれでもいい・・・・・どうせ、俺は消えるのだから
裕也「我が身に流れる全ての魔力よ・・・・・今、ここに解き放たれん・・・・・」
セレン「裕也!それだけはだめぇぇぇぇ!!」
みさお「どう言うこと!?」
セレン「裕也は・・・・・自分を犠牲にして、自爆する気なのよ!」
セレンの悲痛な叫びとみさおちゃんが驚く様子が見える
だが、俺の詠唱は止まらない・・・・・否、止める事はできない
裕也「全は全を越え、無は無を越える・・・・・そして、ここに有を成す」
みさき「なっ・・・・・にっを!」
俺の体に流れる二種類の魔力が鬩ぎ合い、全てを超越する
そして・・・・・爆発するのだ
暦「ちっ、間に合わなかったか!」
美絵「裕也、早まらないで!!」
聡美「お父さん!!」
聡美たちの声も聞こえるようになってきた・・・・・まったく、お人好しばかりだな
桜寮での生活は・・・・・楽しかったけどさ
祐一「裕也、お前・・・・・そこまでして」
佐祐理「裕也さん・・・・・ダメです!!」
アリス「裕也さん!!」
さくら「裕也君、ダメ!!」
みんなの悲痛の叫びが聞こえるたびに俺の心はズキズキと痛む
けれどここで殺戮天使を消しておかないと・・・・・皆が消される
だから・・・・・俺は全てをかけて消してみせる
俺の全てを失ってもいい・・・・・みんなが守れるのなら!!
みさき「天、時、そして狭間・・・・・空間を制御せし力よ・・・・・蘇れ」
裕也「っ!転移魔法か・・・・・・・・・・有は無を成し、無は有を成す・・・・・そして、ここに全てを消し去らん」
【終りの世界】
【古代魔法Shift】
世界が終わる・・・・・・・・・・俺の世界が
そして俺の破壊の力はみさきの魔法によって移動させられる・・・・・そう、俺と一緒に
みさき「ぐっ・・・・・ここで、意識が途切れるとは・・・・・な」
裕也「ちっ・・・・・みさき!」
俺はみさきの体を抱きしめ、そして目をつぶる
俺の体は破壊されつつある・・・・・その体に暖かなぬくもりが与えられる
みさき「ゆうやくん・・・・・わたし、大丈夫・・・・・だから」
裕也「みさき・・・・・」
みさき「大丈夫・・・・・安心して、私は・・・・・ずっと、生きてるから」
裕也「また・・・・・守れなかった・・・・・な」
みさき「ううん・・・・・今度は、守ってくれたから・・・・・大丈夫」
最後の力を振り絞り、俺は自分の中の力を解放させる
もう、これで終りだと・・・・・そう、終焉さ
裕也「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
みさお「裕也さぁぁぁぁぁん!!!!」
裕也「なっ、来るな、みさおちゃん!!」
ドン!とみさおちゃんが俺に向かって抱きついてくる
このままだと爆発に巻き込まれる!!
みさお「私は・・・・・裕也さんとずっと一緒です!!」
みさき「・・・・・みさおちゃん、裕也君のこと、少し、頼んだよ」
みさお「・・・・・はい!」
ズドーーーーーーーーーーン!!
浩平「みさおぉぉぉぉ!!裕也ぁぁぁぁぁ!!」
大爆発の中、折原浩平の悲痛な叫びが当たり一面に響き渡り、そして悲しく消え去った
爆風の治まった後にはクレーターが残り、そして・・・・・
聡美「・・・・・・・・・・おとうさんの・・・・・剣」
純一「裕也の・・・・・残滅剣の破片・・・・・だな」
戦闘によって折れてしまった残滅剣の片割れ
そして魔力の少しだけ篭った欠片を見つけることに成功した
浩平「くそっ・・・・・俺は、ただ見ているしか出来なかった!」
セレン「私も・・・・・力を貸せなかった、これ以上使うと、ダメだったから!」
力なく崩れ落ちる浩平と、涙を流すセレン
しかし世界は無常で、時は流れるものである
暦「・・・・・ここにいても仕方が無い、寮に戻ろう」
祐一「・・・・・それが、最善って所ですか、今のところは」
佐祐理「祐一さん・・・・・」
祐一「俺だって辛いさ・・・・・あと少し早く来れればって思ったし」
ぐっと拳を握り、祐一は自分の片手で抑える
そうでないと、自分を殴りそうだからと・・・・・
聡美「・・・・・ぐすっ、おとうさぁん」
美絵「まったく・・・・・この子には、裕也が世界なのに・・・・・あんたがいなくなってどうするのよ」
祐一「・・・・・美絵さん?」
美絵「聡美が裕也にくっついていたのはただ親だからじゃないの、聡美の生きるために裕也は必要だったのよ」
悲しい顔をする美絵
祐一はその顔を見ることが出来なかった
美絵「祐一君、聡美の行動、気をつけておいて・・・・・みんなにも、頼んだわよ」
祐一「それって・・・・・」
美絵「あの子にとって裕也は命なの、裕也がいないのなら、あの子の生きる意味は無いわ」
冷たく、そして寂しそうに言い放ち、美絵は寮に向かって歩き出す
祐一は佐祐理に促されて寮へ向かう
聡美は何度も何度も裕也が消えた場所を振り返る、そしてまた涙を流す
そして祐一は思う、この子を独りでいさせてはいけない・・・・・誰かがいないと、危険だと
祐一「裕也・・・・・お前が生きていること、俺は信じるからな」
佐祐理「祐一さん・・・・・」
祐一「誰かがそう思ってないと・・・・・奇跡は起きないから」
佐祐理「・・・・・はい、佐祐理も願います・・・・・裕也さんが生きていることを」
佐祐理はぎゅっと祐一の手を握り、精一杯の笑顔で笑いかける
それに対して祐一も笑いかけ、二人で寮に向かって歩き出す
時刻は夕暮れ、無数のクレーターで無残にも破壊された公園は、寂しさに彩られていた
そして、その中心に桜の花びらが一枚・・・・・また一枚と、積もり始めるのであった・・・・・
暖かい光と共に俺は目を開ける
死んだと始めは感じていた・・・・・しかし、それは杞憂だったようである
俺の隣ではみさおちゃんが抱きついて眠っている
みさきの姿は、もうどこにも無かった
あの時、爆発を受け入れたのはみさき・・・・・俺のことを障壁で守った
みさおちゃんもそのときに守られていた・・・・・
まったく・・・・・最後の最後で、守られたな
こっちが、守ろうと思っていた人に・・・・・守られるなんてさ、悲しいよ
裕也「・・・・・・・・・・さて、ここから再スタートってところか」
みさお「うぅ・・・・・ん・・・・・ここ、は?」
裕也「おはよう、みさおちゃん・・・・・いい天気だ」
みさお「裕也さん・・・・・」
裕也「どうやら、違う世界らしいなここは・・・・・」
辺りを埋め尽くしているのは混在した魔力
魔、人間、そして何者かの魔力が全て混在した世界・・・・・このような場所は、行ったことが無い
みさお「なんか・・・・・不安、です」
裕也「大丈夫、何かあったら・・・・・俺が、守るから・・・・・必ず」
みさお「・・・・・はい」
裕也「さて・・・・・行こう、これが俺たちの第一歩だ」
みさお「はい!」
俺とみさおちゃんは歩き出す・・・・・まだ見たことの無い世界を
そう、いつ帰ることができるのかは分からない・・・・・けれど、帰る、帰るのだ
裕也「さあ、新たな物語の始まりだ」
みさお「はい、行きましょう、裕也さん!」
〜尾根Side〜
大爆発と共に膨大な魔力を感知、城は騒然としていた
大臣たちは慌てふためき、尻餅をついている、しかし騎士団は普通だった
沙耶華「・・・・・・・・・・今の、何?」
冬扇「どうやら、裕也様が何かしたようですね・・・・・」
祐樹「・・・・・この魔力・・・・・春名さん!」
春名「ええ・・・・・とうとう、解放しちゃったか」
寂しさを混ぜたような顔をしながら春名はそっと沙耶華の頭をなでた
沙耶華は何故そうさせるのか分からなかったが、次の言葉で気付かされた
祐樹「やはり・・・・・自爆しか、無かったのかい、裕也君」
春名「・・・・・やっぱり、話さなかったのが、ダメだったみたね」
沙耶華「どういう・・・・・こと、なの?」
沙耶華の問いに春名は顔を少しばかり歪めて答えた
春名「裕也が二年前に破壊しそうになったみさきちゃんの体は・・・・・家の地下に封印してあるのよ」
沙耶華「えっ、でもお兄ちゃんには・・・・・」
春名「ええ・・・・・もう、この世にいないと・・・・・言ったのよ、心の傷が広がらないように」
でもその言葉は誤りだったと春名は言う、自分が言わなければそうならなかったと
祐樹「・・・・・だが、失敗だったみたいだ」
沙耶華「うそ・・・・・おにい・・・・・ちゃん」
冬扇「お嬢様・・・・・」
悲しみに暮れる沙耶華、それを冬扇は優しくあやす・・・・・
それは同じ悲しみを背負ったものの宿命なのか、それとも運命なのか・・・・・
それはまだ誰にも分からない、いや・・・・・分かるはずも無かった
ただただ悲しみに暮れるだけ、そんな日々は・・・・・嫌だから
こうして物語は一旦幕を閉じる
しかし物語りはまだ終りではない
魔族と人間であるために、自分を隠していた少年
その少年を理解したいと思う少女
少年を思うあまりに自らの命を捧げる少女
少年の帰りをずっと待つ、眠り姫
これらの運命が一つになり、また物語を紡ぎだす
さあ、あらたな物語の一ページを捲ろうではないか
命を犠牲にしてまでも、守りたい少年と
その命を少年のために使おうとする少女たちの物語を
この物語の行く末を見届けるのはあなた達・・・・・
さあ始めよう、終幕へのあたらな舞台を・・・・・
裕也「さあ、始めようか・・・・・みさおちゃん」
みさお「はい、新しい一ページです!」
桜散るこの島で・・・ 第一部 完
〜後書き〜
藤祭:祝第一部完結〜
浩平:みさおぉぉぉぉぉ〜!
藤祭:完全に壊れてますね、おにいさん
浩平:っと・・・・・みさおは生きているんだったな
藤祭:その通りです・・・・・ってか、ここまでよく書けたなぁと
浩平:最近はずっとD.C.O.S.の更新ばっかりしていたからな
藤祭:しょうがないじゃないですかっ、話が思い浮かぶんですものっ
浩平:ならこの話の第二部もどんどん書き続けろ
藤祭:むぅ
浩平:それにしても、最終話の更新には時間が掛かったなぁ
藤祭:ええ、何度も見直したりしましたからねぇ・・・・・誤字を
浩平:これで誤字脱字があったらショックだな
藤祭:ええ
浩平:さてと・・・・・そろそろお別れだ
藤祭:次回は第二部第一話から始まります
浩平:どんなことが待っているのやら
藤祭:ではでは、第二部で会いましょうっ!
<魔法紹介>
【ダークミスト】
暗闇を産み出す闇属性下級魔法、主に逃走に使用する魔法である
【終りの世界】
自らの魔力を暴発させ、あたり一面を廃墟と化す禁断の魔法
使用すると術者の命も無いとされている
【古代魔法Shift】
古代に使用されていた移動用の魔法で、神属性も持っていないと出来ない魔法
移動人数は3〜4人