魔法少女リリカルなのはA's ―― Knight Of Gale ―― Case1:夜天の主と疾風の騎士 ずっと君と一緒に居よう、そう誓ったのはいつだっただろうか 傷つき、嘆き、悲しみ・・・・・痛みを乗り越えて、今、ここにいる 思いは力となり・・・・・そして、闇を打ち払う、一陣の希望の旋風となる これは、一人の青年と一人の少女を取り巻く、普通とは一歩違った、そんな物語・・・・・
present by 藤祭(since2007/05/26)
2.[隠した嘘は巧妙でも、隠す人間が巧妙でなければ、意味が無い、それが真実に繋がるのだ] バキッ! という音を立てて武装局員のシールドが破壊され、地面に倒れ付す それを冷めた目で見つめつつ、赤髪の少女――ヴィータ――は手に持っていた書物をかざす するとその書物から光が漏れ、局員のリンカーコアと呼ばれる存在を・・・・・喰らった 「これでたった2ページ・・・・・・・・・・これじゃあ・・・・・まだまだだ」 「ヴィータ、調子はどうだ?」 「シグナム・・・・・だめだ、弱すぎる・・・・・」 「大丈夫だ、まだ時間はある・・・・・とはいえ、これ以上の長居は禁物だ」 「・・・・・分かってる」 飛び去りつつ、二人は結界を収縮させようとするが、戦闘を行っている場面を発見し中止する そして二人で顔を見合わせ、その戦闘を行っている付近に着地する 煙で見えない場所もあったが、風が発生することにより、その姿が鮮明になった 「なっ!? な、なんであいつが・・・・・はるきが戦ってるんだよ!!」 「やはり・・・・・晴樹も魔導師だったというわけだな」 「ザフィーラか・・・・・遅かったな」 「このあたりに居たんだが・・・・・妙な気配を感じて監視をしていた」 じっと目線を向けるザフィーラ、その目線を追うと、戦っている二人の人間を発見する 一人は身長が高い青年であり、もう一人は少女だった そして、一人の青年は守護騎士と呼ばれた四人が知る人物でもあった・・・・・ 『マスター、近距離戦闘を行ってはどうでしょうか』 「近距離? 試してみる価値は・・・・・ある、なっ!」 後方に飛ぶと、自分の立っていた位置に魔力の弾丸が打ち込まれるのが分かる 回避しつつ、晴樹はそのまま前進する その瞬間、パラドクスから補助の魔法名が告げられる 『ブーストアクセル、起動します』 「よしっ・・・・・行くぞ!」 ドンッという衝撃と共に前方に飛び掛る晴樹 相手であるリムレットは咄嗟の回避行動が間に合わなかった 目標にひたすら突き進む晴樹は、ダブルセイバーを振りかざす 「はぁぁぁぁぁ! 斬り刻め!!」 『Katzbalger』 ダブルセイバーに魔力刃が付与され、咄嗟に展開された防御魔法を斬り刻む そして残りの片方の刃で少女のバリアジャケットを傷つけた しかし、倒すことには至らなかったようである 「はぁ、はぁ・・・・・初戦闘は・・・・・辛いぜ」 『ここまで出来れば上出来です、マスター』 「ありがとよ・・・・・だが・・・・・まだまだのようだ」 晴樹の目線にはレミントンを杖がわりにして立つリムレットの姿がある その目にはまだまだ闘志が漲っており、一筋縄ではいかないということがわかる そしてリムレットは、杖を構えた 「いくよ、レミントン・・・・・ブレイクシステム起動!」 『Blake System,Set Up!』 変形と共に杖は完全にショットガンのような形態をとる そしてこちらに向けて、銃口の照準を合わせている これはやばいと、晴樹は冷や汗をたらした 「・・・・・・・・・・パラドクス、どう見る?」 『まだ精度は荒いですが・・・・・アレを使用してはどうでしょうか』 「・・・・・本気か? あれは昨日やっと形になったばかりだぞ?」 『でなければ、今の防御障壁では粉々ですよ』 「・・・・・・・・・・やるしか、ないか・・・・・パラドクス」 『了解、我が主・・・・・砲身、展開します』 上部についている刃が開き、そこから砲身が出現する そして魔力の充填を開始した 「・・・・・行くぞ、パラドクス」 『いつでもどうぞ、充填、完了しています』 「レミントン、フルチャージ!」 『OK』 数秒早く晴樹の充填が終わり、晴樹はしっかりとリムレットを照準した 充填の完了したリムレットも晴樹を照準した 「行くぞ!ぶち抜け、我が魔力よ!」 『Zweihander』 「粉々に砕くわよ・・・・・貫いて!」 『Brummbar』 発射と同時に晴樹からは太い暗黒の砲撃が、そしてリムレットからは赤色の砲撃が放たれる 初心者の晴樹が放つには膨大すぎる魔力がリムレットに襲い掛かった 「ぐっ・・・・・防いで、レミントン!」 『Greyhound!』 リムレットの目の前に魔法陣が出現し、晴樹の放った砲撃を受け止める ぎしぎしときしむ障壁を見ながら、晴樹は砲撃を全て打ち終えそのまま後ずさる 「これは戦力的にまだまだ俺だと力不足だな・・・・・どうだパラドクス」 『この状況での勝率は三割を切るかと・・・・・戦時的撤退が必要です』 「・・・・・だな」 まだ障壁を消滅させ、肩で息をしているリムレットを見つつ、後ろに後退する だが、それを許してくれない存在が居ることにやっと晴樹は気づくことになる そう、武器を展開した三体の騎士が待ち構えていたのだ 「なっ・・・・・・・・・・お前ら」 「はるき・・・・・どうしてお前、魔導師だって黙ってやがった!」 「・・・・・聞かれていないし、魔導師だということは、秘密だったからな」 「ヴィータ、とりあえずは晴樹の言うことは正しい・・・・・そうだろう、シグナム」 「だな・・・・・それで、晴樹・・・・・お前は私たちの味方か? それとも・・・・・敵か?」 鞘から剣――レヴァンティン――を抜き、晴樹に向けて構えるシグナム そんなシグナムを見つつ、晴樹はにやりと笑う その笑みに、ヴィータとザフィーラは身構えた 「おいおい、そんなの聞くまでも無いんじゃないのか?」 「・・・・・・・・・・ん?」 「さて質問だ・・・・・八神家の主は誰だ?」 「主はやてに決まっているだろう」 「んじゃ次の質問・・・・・その主に助けられた人間は、誰だ?」 またにやりと笑い、晴樹は目の前に居る騎士に問いかける しばらく視線を交差させていると、ふっとシグナムが表情を和らげる そして、鞘にレヴァンティンを仕舞いこんだ 「愚問だったな・・・・・非礼を詫びよう」 「いんや、こっちも挑発していたからな・・・・・さぁて、帰りますか」 「おいはるきっ! あいつは放っておいていいのかよ!」 「俺の目的はお前らが何をやっているか見たかっただけだからな・・・・・あいつは関係ないよ」 そういって晴樹は武器を仕舞いこんでそのままヴィータの元に歩み寄った そしてそのまま後方を振り返る 後方には今だ放心状態で固まっているリムレットの姿がある 「・・・・・んで・・・・・お前ら、何やってたんだ?」 「そうだな・・・・・仲間であるお前には、知らせたほうがいいか・・・・・ヴィータ」 「わかったよシグナム・・・・・・・・・・蒐集」 弱っているリムレットにヴィータはいつの間にか手に持っていた書物を翳す するとどうだろう、リンカーコアと呼ばれるものがリムレットの中心部から出現 そしてその書物は、それを喰らった 「・・・・・・・・・・これは」 『どうやらこの書物はリンカーコアを吸収することによってプログラムを復活させる仕組みのようですね』 「なるほどな・・・・・ならこの書物の守護がシグナムたちってことになるのか」 「その通りだ、この闇の書を完成させれば・・・・・主はやてが夜天の王になるのだ」 「そうすればずっと一緒に静かに暮らせるんだ・・・・・だから・・・・」 ぐっと拳を握りこみ、ヴィータは書物を睨む リンカーコアを喰われたリムレットは気を失うかのようにして倒れこんでいた 晴樹はそれを少々申し訳なさそうに見つつ、そのままシグナムたちに振り返る 「帰ろうぜ、そろそろ明け方だ・・・・・早くしないと、はやてが起きる」 「そうだったな・・・・・では、行くとしよう」 「その前に、この形態での自己紹介がまだだったな・・・・・俺はザフィーラ、盾の守護獣ザフィーラだ」 「そうだな、よろしくザフィーラ」 身長の大きいザフィーラに晴樹は笑いかけ、差し出された手を握る そして結界を張っていたシャマルと合流し、八神家に戻るのであった・・・・・ 時空管理局の一部では動揺が走っていた その原因はA+の局員であったリムレット・フェイドラが倒されたという事実があったからである 現在リムレットは医務室で治療を受け、意識不明の状態で保護されている 捜査官の隠密行動であったため、記録用のモニターは作動しておらず犯人も誰かも分かっていない 全ては意識を取り戻したリムレットの証言だけということである けれども早くても二日は眠っているだろうとの事だった 「・・・・・リムレットほどの局員がやられるとは・・・・・流石だな」 「そりゃそうよ、AAランクを瞬殺よ? そりゃリムレットだって強いけどさ」 「・・・・・・・・・・そうだな・・・・・どうやら今回もなのは達に手伝ってもらうことになりそうだ」 「そうねぇ、民間協力者と言ってもかなりの実力者だからね・・・・・クロノくんも頼りにしちゃうし」 「ああ、全くだ・・・・・エイミィ、資料を纏めておいてくれ」 「りょーかいっ」 エイミィに資料まとめを命じ、クロノはそのままブリッジに足を運ぶ ブリッジに入るとそこには母であり提督でもあるリンディ・ハラオウンの姿があった リンディはクロノに気がつくと、心配そうな目でこちらを見てきた 「クロノ、リムレットさんの容態・・・・・どうだった?」 「リンカーコアの損傷は無し、魔力低下が酷いですが・・・・・三日ほどで訓練復帰は出来るそうです」 「・・・・・三日もかかって訓練復帰、さすがに痛いわね」 「ええ、リムレットはA+魔導師ですが、戦力的にはAAランクに匹敵しますから」 頭を抱えつつ、クロノはそのまま手に持っていた資料をリンディに手渡す それを受け取りつつ、リンディは側においてあったお茶を飲んだ 「クロノ・・・・・闇の書事件だけど、正式にアースラで請け負うことになったわ」 「・・・・・・・・・・この時期に請け負うのは少々痛いですが、しょうがないですね」 現在アースラは本局のドッグで整備中のため、高町なのはのいる世界に行くには中継ポートを通らなければならない そのお陰で転移に時間がかかり、かなり危険が伴う任務でもあった 「さてと、まだまだ仕事は残っているわ・・・・・頑張っていきましょう」 「はい」 八神家に帰った一同はそのまま自分の自室で泥のように眠る そして七時ごろに晴樹は目を覚ます 外からは朝日が差し込んできていた 「・・・・・・・・・・まだ眠いが、朝食だな」 『おはようございますマスター、今日も快晴です』 「ああおはようパラドクス・・・・・んじゃ行きますか」 制服に着替えて晴樹はそのままリビングに向かう 今日は平日なので学校があるのだ・・・・・高校生辛いなと愚痴をこぼす そんなことを考えつつ、椅子に座った 「晴樹さん、おはよう」 「ああおはよう、はやて」 「眠そうやな、昨日はきちんと眠れへんかった?」 「まあ・・・・・あと二日もすれば慣れるよ」 「そか、よかったわ」 にこにこと笑ってはやては朝食を作っていく シャマルはまだ眠っているようで、しょうがなく晴樹が手伝うことになる とりあえずは一人で生きてきたので、簡単な料理は大体できるのである 「ごめんなさいはやてちゃん! って晴樹さん!?」 「おはようシャマル・・・・・今日はとりあえず晴樹さんが手伝ってくれるんやて」 「まあ気にするな、一応主夫だからな、俺は」 「あはは、それは頼もしいわぁ」 笑顔のはやてを見つつ、晴樹は一緒に料理を作っていく そして全員揃った後、食事をするのであった・・・・・ 食事終了後、晴樹は学校があるので一人で家を出て行く けれども晴樹の隣にはシャマルが私服を着て歩いている 一体どういうことだろうか・・・・・ 「シャマルさん・・・・・こっちの方向に用事でもあるのか?」 「いえ、じっくり晴樹さんと話してみたかったですから」 「・・・・・・・・・・そうか」 笑顔でこちらを見てくるシャマルに少々恥ずかしがりながら晴樹は答える 周囲の視線は結構痛い、まれに見る美人と歩いているのだから・・・・・当然である もしも立場が違っていたら、晴樹も同じような視線を向けていたのだろう 「そう言えば、晴樹さんのデバイス・・・・・名前、あるんですか?」 「ああ、魔導杖パラドクス・・・・・管理局曰く第一種捜索指定のロストロギアだそうだ」 「・・・・・・・・・・そ、そうなんですか」 「パラドクス本人はそんなのデタラメだとか言っているけど・・・・・どうだろうなぁ」 そう、パラドクス本人は普通のデバイスだと言い張っているが、かなり他のデバイスとは特性が違う 意思がある時点では管理局側のデバイスとシグナムたち――ヴォルケンリッターというらしい――のデバイスと同じ 言語体形はパラドクスの場合、契約者の言語に合わせているようだった そして一番違うのが戦闘での形態の変形 管理局のインテリジェントデバイスというのは杖を模っており、そこから派生していく けれどもパラドクスの場合はシグナムたちのような武器を模っている形になる ならばそのシグナムたちのような武器――ベルカ式というらしい――と同じかというとまた違う こちらはカードリッジシステムという圧縮した魔力をこめた弾丸を使うことが出来る機構がある けれどもパラドクスにはカードリッジシステムが搭載されていないのだ、かなりおかしなデバイスである 「話を聞いていると・・・・・ますますロストロギアだということが分かります」 「そうか? まあ俺には関係の無いことだ・・・・・相棒だからな」 『ありがとうございます、マスター』 「いいっていいって」 「仲が良いんですね、貴方たちは」 「まあな・・・・・っとここだここ、どうだ? 話してみての感想は」 「そうですねぇ・・・・・とりあえず、貴方のことが信頼できる人だということは、確実に分かりました」 ふふふと笑って笑顔になっているシャマル 美人が笑うと絵になるなぁ、と柄にも無く考えつつ晴樹は別れる そしてパラドクスが見つからないように仕舞いこんで校舎に入るのであった・・・・・
簡易後書き 初戦闘で色々と新しい魔法を使用しましたが、結構戦闘は面倒です。 頭の中で思い描きながら戦闘描写を打鍵するのは、面倒ですね、結構時間取られます。 皆様の暇つぶしになれば十全ですが、感想もお待ちしてますねー ではではー (2007/5/26打鍵完了)


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