魔法少女リリカルなのは
―― Knight Of Gale ――
Case2:閃光の刃と白銀の翼
悲しみを乗り越えて、青年たちはまた一つ大切なものを得た
そして大切なものを得る代わりに、別のものを失った
失い、得て、そしてまた失う悲しさ・・・・・それでも、彼らは歩み続ける
present by 藤祭(since2008/08/13)
Case2-1 「疑問と再会」
―――――――ミッドチルダ西部エルセア 自然保護観察区域 9:25a.m.
軽い鈍痛を感じながら、ゆっくりと目を覚ますと、そこは見覚えのない森の中だった
先ほどまでの記憶を手繰り寄せてみても、あまりいい結果は見いだせず、唖然とするばかり
ランダムでの転送魔法、自分はいったいどこまで飛ばされてしまったのだろうかと、困惑する
「・・・・・・・・・・っと、フィリカはどこだ?」
「あ、起きたんだ・・・・・おはよう、シャル」
「ああ、おはようフィリカ・・・・・その様子だと、周辺を調べてきたのかい?」
「うん・・・・・エルセアの自然保護観察区域みたい、さっき衛星リンクで確認したよ」
転送魔法の反動とマイスターの気絶によって、一早くユニゾンを解除していたフィリカが周囲を探索
こういうときに、単独行動できる能力を持っているフィリカはかなり役に立つ
褒めている雰囲気を感じ取っていたのか、フィリカは終始笑顔だ
「でもよかったね、砂漠地帯とかに放り出されなくて・・・・・マップ更新すれば、近くの支部まで移動できそう」
「・・・・・ああ、砂漠は嫌いだ、こういう密林も嫌いだけどね」
軽愚痴を叩きながら、通常サイズ、つまり30cmほどの大きさになったフィリカを肩に乗せて歩きだす
飛行魔法を使用して移動すれば良いが、ここは自然観察保護区域、飛行許可も取っていないので侵入者扱いになってしまう
なので極力魔力を使用しないで近くの支部まで移動し、保護を求めるのが一番の上策だろう
そのようなことを考えつつ、ふと思い出すのが自分たちがここまで飛ばされてくる前の出来事
護送していたロストロギアの突然の暴走、それによって自分は事の次第を確認できずにここまで飛ばされてきた
フィリカも疑問に思っているのだろう、ただそれを口に出していないだけであって・・・・・
「フィリカ、ちょっといいかい?」
「・・・・・・・・・・ん?」
「"旅路の果て"の暴走のことなんだけどさ・・・・・あの時、なにを感じ取ったんだい?」
「外部からの魔力干渉と、内部からの魔力放出かな・・・・・たぶん護送前に魔力がすでにこめられていたんだと思う」
つまり、フィリカの言葉から考えるに、"旅路の果て"というロストロギアは外部干渉によって発動する形体のロストロギア
そして何者かが管理局の人間が確保する前に"旅路の果て"に魔力を注いだが、何らかの原因で発動するまでに至らなかった
その後、管理局に確保され、護送中に暴走したと・・・・・謎だらけである
「原因は、誰が魔力を注いだか・・・・・そして、どうしてその時に発動しなかったのか、ということか」
「私たちだけで考えても埒があかないかも・・・・・こういうのは、シャルの知り合いに頼んだ方が上策だよ?」
「ああ、スクライア司書か・・・・・あの人なら一週間もあれば調べてくれそうだ」
スクライアことユーノ・スクライアは一年ほど前からの付き合いになる、きっかけはフィリカの知識研究のために無限書庫を訪ねたときだ
そこで膨大な量の書物を読み、必死の形相でなにやら報告書を作成していたのが印象深い
いわく、クロノ・ハラオウン執務官に頼まれたというか押しつけられた情報検索が予想以上に長引いたからだそうだ
その時に自分とフィリカが手伝いを申し出て、三時間ほどかけて報告書を作成したときから、仲善くなった気がする
いわゆる戦友みたいなものなのだろうとフィリカは言っていたが、どうなのかは本人に聞かなければ意味がない
とりあえずは、目の前の事態を解決してから、いろいろと考えよう
「シャル、ストップ・・・・・前から誰か来る」
「たぶん転送魔法の位置を把握した自然保護隊のチームか何かだね」
「先頭の人が友好的な人だといいね、血の気の多い人がたくさんって聞いたから」
「・・・・・・・・・・その情報は、いったい誰から?」
「リリカ」
「・・・・・なるほどね」
そう言えば、ブリッジにいたメンバーや食堂の中にいたメンバーはどうなったのだろうかと考える
自分の場合は転送魔法を仲間の局員が強制的に発動したため、なんとか飛ぶことができた
まあこれも後で考えた方が考えがまとまるだろう、現実逃避はここまで、ということで
「さて、自然保護隊の先鋒部隊はいったい誰か―――」
「シャル、よかったね・・・・・違った意味で血の気が多い人で」
「・・・・・・・・・・慰めありがとうフィリカ、僕はまた厄介事に巻き込まれるようだね、はは」
―――――――同時刻 ミッドチルダ西部エルセア 自然保護観察区域 観測所
どうして自分はこんな場所にいるのだろうかと、リムレットことリムレット・フェイドラは首をかしげる
つい先日、捜査官の任務を終えて久しぶりの休暇を満喫しようと、故郷であるエルセア地方に帰還していたのだ
しかし、実家に到着したのはいいが、なぜか両親に自然保護観察区域に行くように指示されてしまったのだ
そして言われるがまま、流されるまま自然保護観察区域に到着したのはいいが、そこで何故か任務を受けることに
任務内容は保護区域の中央部に突如発生した転送魔法の調査及び、侵入者の逮捕及び拘束という内容だ
密かにA+というランクに身を置いている捜査官のため、リムレットに白羽の矢が立ったらしい
「はぁ、捜査官の仕事がひと段落したところだったのにぃ・・・・・うぅ、面倒だよぉ」
「まあまあ、一応調査だけっていう建前だから・・・・・戦闘になったら我々に任せてくれて十分ですよ」
「りょーかいです、隊長さん」
しゅたっと敬礼をし、にっこりと笑うリムレット
それに対して、敬礼を返し、現場の部隊を指揮している部隊長は苦笑い
内心、このような少女が捜査官をきちんとやっていけるのだろうか、という気持ちでいっぱいに違いない
「さてと、魔力探知はリムレット捜査官のほうが上でしたね、よろしく頼みますよ」
「はい、任せてくださいっ・・・・・レミントン、広域調査、行くよ」
『OK,Wide area Search』
魔方陣の出現とともに、うっすらと魔力の波が広範囲に広がっていく
目視でぎりぎり見える程度か、それ以下かというような魔力の波であり、相手に気付かれないほどの濃度だ
数分間目を閉じ、魔力の波を追い続けたリムレットは、ゆっくりと目を開ける
「発見です、人数は二人・・・・・一人はBランク程度、もう一人は――え?」
「捜査官、どうかしたんですか?」
「い、いえ・・・・・間違いがなければ、えとその・・・・・もう一人は、AAAほどの魔力を持っています」
「なっ・・・・・AAAクラスといえば、ハラオウン執務官クラスでないと対抗できないということですか!?」
困惑する人員をなだめつつ、リムレットはこれから向かう先にいる侵入者がどういった行動をとるかを想像する
BランクとAAAランクというかなり偏った戦力ということは、よほど自信があるのか、それとも一人は囮か
今までの経験を踏まえての考えを想像していくが、良い案はあまり浮かばない
「・・・・・・・・・・とりあえず相手方はこちらに向かって歩いているようです、戦闘の意思はないのかもしれませんね」
「まあ、どんなやつだろうと・・・・・抵抗するなら攻め込むしかないか」
「最悪戦闘になっても拘束するぐらいならできるでしょう、これだけ人数がそろえば・・・・・たぶんですけど」
リムレットと部隊長の後方には、下はBから上はAまでの十五人ほどが揃っている
そしてリムレットはA+、部隊長はAA−というクラスであるため、最低でも互角に戦える可能性はある
だからだろう、リムレットはあまり緊張というものをしていなかった、ここで女の勘が働いたのかもしれないが・・・・・
しばらく進み、相手が立ち止まったことを確認し、全員で慎重に草木をかき分けて道に出る
そして不意打ちを避けるために陣形を組み、後方に指示を飛ばしていく
指示を飛ばした後、最後の草をかき分け、問題の侵入者の姿を目視で確認し、沈黙した
「・・・・・・・・・・え、あ」
「シャル、よかったね・・・・・違った意味で血の気が多い人で」
「・・・・・・・・・・慰めありがとうフィリカ、僕はまた厄介事に巻き込まれるようだね、はは」
やれやれとリムレットの顔を見てため息をつく青年と、その肩に座り、ため息を吐いている小さな少女の姿
その凸凹コンビを確認し、リムレットは後方に警戒を解除するように通達し、小さく息を吐く
青年に見覚えがあるのか、隣で待機していた部隊長もなんだと苦笑いをしていた
「シャルシエッ、なんでこんなところにいるの!?」
「それはこっちのセリフというか・・・・・まあいいや、保護観察区域の皆さん、お久しぶりです」
「おう、シャルも元気そうだな・・・・・ん、その肩のお嬢ちゃんは初見だな」
「フィリカよ、よろしく」
マイペースにあいさつを交わしていくシャルことシャルシエとフィリカ
その二人に絶句しつつ、リムレットはくいくいとシャルシエの服を引っ張る
まるで迷子の子供のようだと、のちに部隊長は語っていた一部だ
「ねえ、たしかサイサリスで護送任務中だって聞いてたんだけど・・・・・なんでこんなところに?」
「仮に捜査官ならそれぐらい分かってほしいんだけど・・・・・まあ、みんなの想像通り、事故でここまで飛ばされてきたんだよ」
「・・・・・・・・・・事故か、シャル、ほかの連中はどうした」
「不明です、分かっているのはロストロギアの暴走と、僕が強制的にランダム転送でここまで飛ばされてきた、ぐらいですから」
「なるほど・・・・・とりあえずここで立ち話もなんだ、一度観測所に戻るとしよう」
引き上げるぞ、と部隊長の指示が飛び、後方待機していた隊員たちがぞろぞろと動き出す
リムレットはそんな光景を面白そうに眺めているシャルシエの服をつかみつつ、ひっぱるようにして歩いて行く
そんな光景に、やれやれと苦笑いを浮かべながら、シャルシエとフィリカはついて行くのであった・・・・・
―――――――次元空間航行艦船「アースラ」 14:50p.m.
巡洋艦サイサリスが消息を絶ってからすでに一日が経った
報告を受けた日に模擬戦を行っていた晴樹たちメンバーはブリーフィングルームで顔を突き合わせている
内容は現在確認されていることの確認及び、これからの対策についてである
「さて、昨日話した通り、巡洋艦サイサリス消滅事件についてのことだけれど・・・・・妙なことが多いのよね」
やれやれと溜息を吐きながら、アースラの提督であるリンディ・ハラオウンは腕を組む
妙なこととは何かと一同が注目する中、ひとつのデータをモニター上に映し出す
そこには急激な光とともに、どこかに消えさるサイサリスの姿が映し出されていた
「さてと、この映像をみて分かるように・・・・・突如転送魔法のようなものでサイサリスは消えている」
「まってクロノくん、そこまで大きい転送魔法って普通の人が使えるの?」
「良い着眼点だなのは、この映像を見て分かるように、いくら最少艦だといっても一隻丸ごと転送するのはかなりの魔力が必要となる
このアースラにも、転送用の装置が設置されて利用されているが、サイサリスのこの映像のようにはならないと確認されている
さて、艦船に設置されている転送装置でないと考えると、魔導師による転送魔法というのが一番の候補となるが・・・・・フェイト、ほかに例はあるかな
「深く考えなくてもいい、まあこの場で試すというのは不謹慎かもしれないが、執務官試験にむけてのリハーサルのようなものだと思ってほしい
サイサリスの情報は手元に配ってある資料を参考にしてくれて構わない、難しいかもしれないが、考えてみてくれ・・・・・違う着眼点があるかもしれないからな
「・・・・・えっと・・・・・この状況での有力候補は――」
クロノの指示により、フェイトは少々驚きながらも手元の資料と画面上に映っている映像とを比較し、数多くの例を考え出していく
魔導師による転送魔法説や、局地的な次元震による転送など、考えるだけでも多くのものが一致するのではないかとも考えられる
そして、サイサリスの資料にある一部分に注目し、ひとつの答えを導き出した
「この場合、サイサリスの局員のなかで多人数を運ぶ転送魔法を使用できるのは艦長であるザイラール・ルシアムス提督のみです・・・・・
けれどもここまで大きな転送魔法を行うには無理があると考えられ、魔導師説をここで省きます。この説を省くことによって導かれるのは
護送していたとされるロストロギア"旅路の果て"によるなんらかの暴走によっておこされた転送かと・・・・・これで、どうかな?」
「上出来だ、僕や提督の間でも議論していたんだが、やはりこのロストロギアによる転送という線が一番近い・・・・・試すようですまなかったな」
「う、ううん、いい勉強になったから、別にかまわないよ」
申し訳なさそうにするクロノに対し、大丈夫だというフェイト
そんな二人を微笑ましそうに見ていたリンディは、聞くことに集中していたメンバーに意識をずらす
はやての隣に座る晴樹は、難しい内容だなと困惑した表情を浮かべながら腕を組んで周りを見回している
晴樹の隣にいるはやては、そんな晴樹の行動が面白かったのか、腕をひいて簡潔に内容を伝えている
その光景をリンディのように微笑ましそうに、なのはが眺めているのが分かる
晴樹以外の守護騎士は他の前線や訓練に回されているため、現在はこの艦にはいないが、すぐに集まるであろうと報告があった
「とりあえずこの事件は、たまたま近くを航行していたアースラに委託された・・・・・まだ事件というわけでもないように考えられているが」
「あれか、とりあえず調べてみて事件性があったらきちんと解決しろってやつだな」
「晴樹のように、まあ簡単に言ってしまえばそうだな・・・・・捜査官が行う捜査の延長線のようなものだと、今は考えていてくれ」
そう言ったあと、クロノは椅子に座り、ゆっくりと息を吐く・・・・・どうやらかなり頭を使ったようだ
フェイトも先ほどの考えを述べるまで考え事をしていたため、やはり少し疲労が見える
大半の疲労は先ほどの、晴樹との模擬戦による疲労によるものが大きいであろう
「とりあえず、今日はここまでにしておこう・・・・・なのはたちは明日は学校だろう?」
「うん、ちゃんと行っておかないと・・・・・勉強とかおいて行かれちゃうからね」
「私もきちんと勉強しておかないと、国語とか、なのはたちよりも弱いから」
いくら管理局の中でも上位に位置する強さを持つ少女たちであっても、まだ小学六年生
日本での義務教育をまだまだ残している中で、数多くの早退や欠席などをしてしまうのは本人たちのマイナスである
そのため、本来ならばすでに艦長職を辞め、本局に勤務していたリンディが艦長に返り咲いたのはある意味でこのためだった
なのはとフェイト、はやては管理局に入局し、それぞれ現場で活躍するようになったが、まだまだ子供
多忙な日々の中、はやてはリインフォースの新たな誕生をあと一歩というところまでこぎつけ、これまた多忙な日々を送っている
それに付き合う晴樹にも、やはり少し疲労の色は隠せていないことが、仕草を見て分かってしまうのだ
「転送用のポートは既に確保してある、準備ができたら帰るといい・・・・・そろそろいい時間だからな」
「そやね・・・・・晴樹さん、今日の夕食、どないしようか」
「だなぁ、とりあえずはやては家に帰ったら宿題な、その間にメニューは考えておく」
「りょーかいや」
それじゃあお先に、というようにはやてと晴樹は二人でブリーフィングルームを出ていく
それを見送りつつも、それじゃあ私たちも、という形でなのはとフェイトも部屋を出ていく
他のスタッフも出て行き、部屋の中に残ったのはクロノとリンディの二人のみ
「今回の件、クロノはどう思う?」
「・・・・・・・・・・そうですね、ロストロギアというのが一番の注目点かと」
「そうよね・・・・・はぁ、やっぱりこの艦はこういう事件にかかわる運命のようね」
「ジュエルシードに闇の書、そして今回は・・・・・旅路の果て、か」
「そう言えば、"旅路の果て"で思いだしたけれど・・・・・陸士233部隊の子に、過去にこのロストロギアにかかわった子が居たわね」
「・・・・・・・・・・まさか」
「ええ、事の次第ではその子にも協力してもらうかもしれないわね・・・・・回避したいことだけれど」
モニターを消しながら、リンディは手元にある他の人に配ったものとは違う資料を表示させる
そこには過去に起きた事件や事例がはいったデータが表示されており、そこにある人物の名前が表示されていた
それはリンディやクロノが言った関わってほしくないという人物の名
「陸士233部隊所属、贖罪の戦奏の名を持つ、リノ・エルフィンか」
「陸戦AA+は喉から手が出るほど欲しい人材ね・・・・・たしか空戦もできる子だったわね」
「ええ、資料によると空戦AA−・・・・・あまり変わらないじゃないか」
「万能型、まるでフェイトさんみたいね・・・・・あの子は空戦型だけれども」
自分たちよりも幼い子供たちを戦いに参加させることを極力避けたいが、それができない現実
そのような中で、いかに犠牲を出さないかが我々の仕事ではないのかとリンディは密かに思う
隣にいる息子でさえ、死地に立つことだってあるだろう・・・・・そこでサポートできるかが、自分たちの命運を分けるのだ
「さて、クロノも休みなさい・・・・・私も、海鳴の家でフェイトさんとゆっくり休みたいところだけれど、そうも言っていられないみたいだから」
「了解です・・・・・それでは」
かるく敬礼し、クロノはブリーフィングルームを後にする
それを見送った後、リンディは溜息を吐きながら照明をすべて落とす
そしてブリーフィングルームを出ていくのであった・・・・・
―――――――ミッドチルダ西部エルセア フェイドラ家 17:45p.m.
シャルシエとフィリカの保護と同時に、今までの内容をすべて報告書にまとめ、観測所を出た三人
その後、報告書は本局あたりに送られるだろうと部隊長から話を聞き、指示が来るまでどこかで待機するようにとのこと
なので、この観測所から比較的近いリムレットの家に招かれることとなった
「って、こんな大切な時間に誰もいないとか・・・・・お父さんもお母さんも、なにしてるんだろう?」
家のリビングには一枚の書き置き、そこには泊まりで出かけてくるという趣旨が書かれていた
それを見たリムレットは、少々顔を赤くしつつ、ソファにフィリカと一緒に座ってくつろいでいるシャルシエを見る
シャルシエとリムレットはいわゆる幼馴染であり、付き合いはかなり長いのだ
「ねえシャルシエ、今日・・・・・お父さんもお母さんも居ないんだけど」
「ん、そうなんだ? ・・・・・別に気にすることでもないけど、あぁ、リムレットが気にするのか」
「シャル・・・・・ちょっとは女心が分かるようになったんだね」
「毎回フィリカにそんなことを言われているからね、嫌でも少しは分かるようになったよ」
べったりとシャルシエの肩に座っているフィリカは楽しそうに笑い、シャルシエは苦笑い
そんな光景を眺めつつ、リムレットは溜息を吐く、フィリカにはその意味が分かっているのだろう
二人はこう感じていた・・・・・やはり女心が分かっていないと
「そう言えばリムレット、最近気になる人がいるって聞いたけど・・・・・そこんところどうなの?」
「ふぃ、フィリカちゃんっ・・・・・な、なんでそんなこと言うの?」
「いや、だって・・・・・異様にリムレットが執着している男がいるって局内でも有名だよ?」
「・・・・・ああ、なんか聞いたことある、防御だけは超一流っていう人がどうのこうのってやつ」
にこにこと笑うシャルシエと、違う意味でにこにこと笑うフィリカ
そんな二人の笑顔にリムレットはますます顔を赤くする
そしてここでシャルシエは夕食の時間だと勝手知ったるなんとやらという形で台所に移動する
リムレットも料理ができるのだが、現在の状況では危険だろうとシャルシエの本能が動いていたらしい
シャルシエが台所に立ち、リムレットがフィリカとともにソファに座って待つという構図
どこかが間違っている、そんな気持ちになりながらも、リムレットはぼーっとソファに座っている
「で、話は変わるけど・・・・・リムレット、どっちが好きなの?」
「なっ、だ、誰が・・・・・誰を?」
「リムレットが、シャルシエとその執着している男と・・・・・どっちが好きなのかなって」
「・・・・・べ、別にどっちも好きじゃないよ・・・・・シャルシエは幼馴染だし、春日井晴樹さんは模擬戦での目標だもん」
「ふぅん、春日井っていうんだ・・・・・なるほどねー」
そんな模範解答ではごまかせません、というようなにやにやを見せるフィリカ
フィリカの顔に戦慄を覚えていると運がいいのか悪いのか、シャルシエの声が聞こえてくる
どうやら夕食ができたらしい、命拾いしたと、リムレットは胸をなでおろす
「ふふふ、あとでじっくり聞かせてもらうからねーっ・・・・・覚悟してね、りむれっとー」
「あーうーっ・・・・・フィリカちゃん、なんて怖い子っ!」
「おーい二人とも、そろそろ来ないと冷めるんだけど」
戦慄しているリムレットとにやにやとしているフィリカ、そんな二人の気も知れず、シャルシエはマイペース
ある意味で一番幸せなのは、なにも感じていないシャルシエなのかもしれない
そして、平和な日々というものは、身近にあって、日々に埋もれてしまうものなのだろう・・・・・
後日、平和な日々が懐かしくなる出来事が起きる・・・・・それはまだ先のことではあるが
それをしってか知らずか、シャルシエは笑顔を絶やすことなく、二人の少女を眺める
その瞳の先には何を見ているのか・・・・・それはまだ、わからない
後書きという名の言い訳
はい、第一話が完成しました・・・・・個人的には第二話だと思うけれど、やっぱり第一話だったりします(どっちだ
今回は転送魔法で飛ばされてしまったシャルシエとフィリカがリムレットと再開するというお話です。
途中でクロノとかフェイトを際立たせるようにアースラ視点を入れてみましたが、どうだったかな、ちょっと自信がない(ぇ
あと、誤字脱字じゃない?とか言われそうなのでここで注意を、途中のアースラ視点でクロノの長文、カッコを忘れているように見えますが
あれはああいう技法のため、あれであっているのですよ、ふふふん(ぁ
長すぎる文章や、いちいち相槌を打たせたくない場合にああいう技法を利用すると簡単に文章を簡略化することができるのです。
まあ、最終的には量が多くなってしまいましたががが・・・・・
さてさて、いろいろとキャラクターの名前が挙がってきましたが、リノ・エルフィンというのは、ルシフさんから提供していただいたオリキャラです。
あとは電気鼠さんのキャラクターがいるのですが、その子はもう少し後で守護騎士と組み合わせて登場させる予定です。
ではではまた次回で会いましょうっ・・・・・とりあえず、更新頑張らないとなぁ
2008/8/13 打鍵完了