この物語は本編『魔法少女リリカルなのはA's―Knight of gale―』の改変ものです。

いわゆるIF編とも言ってよい作品になっています。ヒロインは今回の短編投票(2007/6/30〜7/19)で決まった人物です。

それが了承できる方のみ、お読みください。


























魔法少女リリカルなのはA's ―― Knight Of Gale ―― Another Case.F:しあわせですか?
present by 藤祭(since2007/07/20)
ゆさゆさ、ゆさゆさと誰かに体を揺すられている 一体誰が揺すっているのだろうか、起きたいけれどもかなり眠い そんな風に思いつつ、八神家の居候こと春日井晴樹は目を開ける 「あ、おはようございます・・・・・良く眠れましたか? 晴樹さん」 「・・・・・・・・・・・・・・・フェイト、ちゃん?」 「はいっ」 晴樹の目の前に飛び込んできたのは、お出かけ用の私服に着飾った可愛らしいフェイト・テスタロッサの姿 水色のワンピースに包み込まれたフェイトの姿は晴樹にとってかなり眼福ものだった その証拠に、晴樹の思考は六割ほど停止していた 「え、えーと・・・・・ここは、八神家・・・・・だよな?」 「はい、そうですけど・・・・・あ、はやてにはちゃんと許可とってありますから、安心してください」 「なんの許可なのやら・・・・・」 許可というのは、晴樹を起こす許可というものだ 最近はヴィータなどが暇を見つけては起こしているようだが、基本的にはやてが毎朝起こす けれども今回はフェイトにそれを任したのだ 「あ、そうだった・・・・・晴樹さん、着替えてリビングまで来てください・・・・・朝食、出来てますから」 「ん、了解だ・・・・・何がなんだか分からないが、行くよ」 「はいっ」 にっこりと笑って駆け出していくフェイトを見送りつつ、晴樹は箪笥から服を取り出す ゆっくりと着替えていると、机に置いてあったネックレスから声が発せられる 相棒のパラドクスからだ 『マスター、今日はきちんとした格好をしたほうがいいかと』 「・・・・・・・・・・そうなのか?」 『魔力反応からして、リンディ・ハラオウン提督もお見えです』 「それじゃあきちんとしないとな」 パラドクスからの忠告に応じ、晴樹はいつもは着ないようなお出かけ用と称した服を着る 基本的に黒が似合うので、ジーンズもそれに合わせたような色合い けれどもスタンダードで晴樹には一番似合う服装だった リビングに到着すると、そこにはフェイト、はやて、そしてリンディが椅子に座っていた 他の守護騎士たちはどうやら仕事が入っているらしく、姿が無い はやては入ってきた晴樹を見つけ、にっこりと笑う 「おはよう晴樹さん、フェイトちゃんのモーニングサプライズはどうだったん?」 「どうだったって・・・・・まあ、サプライズっていうぐらいには、驚いたが」 「あはは、成功やね」 にこにこと笑いながら朝食を盛るはやて どうやらリンディたちも一緒に食べるようで、皆の前には食器が置かれている 今日の朝食は和食、まだ和食に慣れていないリンディたちにもなれさせる目的のようだった 「それで・・・・・なんでフェイトちゃんとリンディ提督がここに?」 「それはやなぁ・・・・・」 「それについては私から話しますよ、はやてさん」 「りょうかーい」 茶碗を置き、箸をおいた後、リンディは晴樹を見る 美人から見つめられるのは満更でもないが、横からのプレッシャーがきつい ちなみに、はやて、晴樹と座り、向かい側にフェイト、リンディという構図だ 「今日守護騎士たちがいないのは・・・・・この状況を見ればお分かりですよね」 「ああ、ヴィータたちは飛び込みの仕事だろう?」 「はい、それでなのはさんは現在教導隊の部隊長に挨拶・・・・・今日は居ません」 「なるほど・・・・・居ないのか」 「クロノも提督になるための試験で現在勉強中・・・・・暇ではありません」 うんうんとしみじみリンディの言葉を聞くはやて 晴樹は、リンディはなぜこのようなことを言うのだろうかと首を傾げるだけ 肝心のフェイトは少々そわそわしていた 「そして、はやてさんには本局で足の精密検査を受けてもらうということで、これから居なくなるのです」 「はぁ・・・・・それは分かるが・・・・・どうしてフェイトちゃんたちが来る必要が?」 「鈍いなぁ晴樹さん、リンディ提督は多忙の身、わたしもみんなも居ない・・・・・それじゃあフェイトちゃんはどうなるんや?」 「あ・・・・・・・・・・」 そう、親友であるなのはやはやて、そして家族であるクロノやリンディが居ない 相棒であるアルフもどうやら訓練のようで暇が無いようだ なので丁度何の予定もないフェイトは一人寂しく家で留守番しなければいけないということなのだ 他にも選択肢としてはアリサやすずかを頼るという手もあるはずなのだが、何故か晴樹は言葉が出せない 隣から来る重圧なのか、それとも期待するような目線を正面からぶつけられているからなのか かなり謎だった 「そ・こ・で・・・・・春日井晴樹さん・・・・・いえ、この状況では・・・・・晴樹くんね」 「なんです?」 「今日一日、フェイトさんに付き合ってくれないかしら」 「わ、わたしからも・・・・・お願いします・・・・・・・・・・一人は・・・・・寂しいんです」 きゅっと自分の服の裾を握るフェイトに対し、晴樹は少々頬を赤く染める 可愛らしい外見と、そこからにじみ出る守ってあげたくなるオーラ 似合いすぎているワンピースとの相乗効果もあってか、今日のフェイトはかなり可愛かった 「了解、俺でよければ・・・・・一日付き合おう」 「さすが晴樹さんや、これでフェイトちゃんも一安心やね」 「は、はやて・・・・・そ、そんなこと言わないでよ」 「ふっふっふー・・・・・それじゃあリンディさん、行きましょか」 「そうね・・・・・それじゃあ二人とも、楽しんでね・・・・・ふふふっ」 「・・・・・・・・・・フェイトちゃん、ファイトやっ!」 「は、はやてぇ・・・・・」 にやにやと笑って出て行くはやて、そしてふふふと笑って出て行くリンディ その二人の行動に一抹の不安を覚えつつ、晴樹は朝食の後片付けを終える フェイトは緊張しているのか、きょろきょろと辺りを見回しながら、晴樹の様子を見ていた 「さて、一日付き合うことになったが・・・・・・・・・・フェイトちゃん」 「も、もうはやては気を遣いすぎなんだから・・・・・・・・・・って、はい・・・・・な、なんですか?」 「フェイトちゃんは・・・・・どこか行きたいところ、ある?」 ざざーんと大きな波が浜辺に押し寄せている 現在晴樹とフェイトは海に来ている・・・・・まだ七月ではあるが、気温は高い だからだろうか、浜辺には家族連れなどがわいわいと遊んでいた 「んー・・・・・潮風が気持ち良いな」 「はい・・・・・・・・・・気持ち良いです」 風に遊ばれる髪を押さえつつ、フェイトは気持ち良さそうに目を細める そんな仕草にドキッとさせられつつ、晴樹は砂浜を見つめる のどかで、とても平和な時間・・・・・ 「あの、晴樹さん」 「ん?」 「もっと近くに行きませんか? こうやって二人で来るのって・・・・・初めてですから」 「・・・・・そうだな、そうするか」 はやてたちと何回か海に来たことがあるというフェイト けれども一人や、こうやって二人で来たことは一度も無いという だからだろうか、フェイトの顔は楽しそうだった 「ほら、晴樹さんっ・・・・・こっちです」 「こらこらそんなに急がなくても・・・・・っとぉ!?」 「ふふふっ、隙ありですっ」 駆け出していったフェイトに苦笑いで追いついた晴樹 けれどもそんな晴樹に待っていたのはフェイトからの海水攻撃 ばしゃっと水がかかり、晴樹は顔面びしょ濡れだった 「やったなぁ? それじゃあ俺からも反撃させてもらおうかっ」 「きゃっ・・・・・は、晴樹さん・・・・・それ、ずるいです」 「身長差によって威力が変わるからなぁ・・・・・はっはっは」 「なら私も・・・・・えいっ」 「うおっ」 水がかかっては笑い、相手にまた水をかける そしてまた笑う、そんな微笑ましい・・・・・恋人のような遊び 二人は駆け回り、水に潜ったり、笑ったり・・・・・本当に楽しそうだった 散々遊んだためか、昼を回る頃には二人してぐったりと砂浜で寝転んでいた 綺麗に着飾ったはずのフェイトの服は薄っすらと砂が積もっている 晴樹の服にも砂がこびりつき、先ほどまで夢中で遊んでいたことが伺えた 「はぁー・・・・・疲れたぁ」 「はい・・・・・こんなに遊んで疲れたのは・・・・・初めてです」 「そっか・・・・・まあ、たまにはこんな日もいいだろ?」 「・・・・・はい・・・・・そうですねっ」 にっこりと笑って、フェイトはぐっと起き上がる そして笑顔を浮かべたまま、フェイトは寝転んでいる晴樹を見る 晴樹はそのままの態勢でフェイトを眺めていた 「幸せですね・・・・・晴樹さん」 「ん?」 「私・・・・・幸せって意味・・・・・あまり分からなかったんです」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 そっと自分の手の近くにあった晴樹の手に、自分の手を合わせるフェイト そして少々憂いのある表情を見せつつ、にこりと微笑む 突然のフェイトの表情に、晴樹は少しだけ、フェイトに大人っぽさを感じていた 「でも、なんとなく・・・・・分かった気がします」 「そうなのか?」 「はい・・・・・幸せって・・・・・身近なものなんだなって、分かったんです」 「・・・・・・・・・・そう、か」 きゅっと晴樹の手よりも一回り小さいフェイトの手に力が入る 離れないように、無くさないように、そんな風にフェイトは晴樹の手を握る それが分かったのか、晴樹は微笑みながら握り返す ころんと寝転がったフェイトは、放り出されている晴樹の腕に自分の頭を乗せる ちゃっかり腕枕ということだ その行動に多少驚きつつ、晴樹はそのままフェイトの暖かさに身をゆだねる 「さぁて・・・・・お腹も空いてきたし、何か食べようかフェイトちゃん」 「はい、そうですね・・・・・・・・・・どこで食べましょうか?」 「んーそうだなぁ・・・・・どこか食べに行きたい場所ってあるか?」 「・・・・・えーと・・・・・・・・・・それじゃあ」 いらっしゃいませーという声を聞きながら、晴樹とフェイトは店の中に入る 店員数名は晴樹とフェイトを見つけるやいなや、窓際の席に案内し、厨房に駆け出していた 一体何が起きるのかと疑問に思いつつも、晴樹は目の前に座っているフェイトを見た 「な、なあフェイトちゃん」 「え、えと・・・・・な、なんでしょう?」 「本当にここでよかったのか?」 ぐるりと辺りを見回すと、カウンターの中で珈琲を入れている男性と女性と目が合う にっこりと微笑み、その男性は頑張ってと唇を動かす そしてその隣に居た女性はにこにこと笑ってフェイトを見ていた 「・・・・・・・・・・すんごい士郎さんと桃子さんに凝視されているんだが」 「あ、あはは・・・・・」 そう、現在晴樹とフェイトが居るのは喫茶翠屋、フェイトの親友であるなのはの実家が経営している店だ 店員が厨房に駆け寄ったのは厨房でケーキやらを作っていた桃子を呼ぶためのものだったらしい かなり徹底しているところがおかしかった 「だが、やはり喫茶店って感じだな・・・・・軽食もきちんと揃っているし」 「ですね・・・・・あ、このサンドイッチ・・・・・美味しそう」 「ん、そうだな・・・・・軽くつまむ程度でいいか・・・・・」 フェイトの選んだメニューを注文しつつ、晴樹はフェイトの格好を改めて見る 金髪とワンピースがかなり似合っており、他の客も振り返るほどだ 可愛らしい外見もあるため、女性からの視線も少々熱い 「え、えと・・・・・そ、そんなに見つめないで下さい・・・・・」 「・・・・・ご、ごめんごめん・・・・・っと、そろそろ来るか」 「・・・・・・・・・・い、いえ・・・・・ちょっと恥ずかしかっただけですから」 顔を赤くしているフェイトに晴樹は少々苦笑い そして注文していたメニューが届くが、一つだけ注文していないものまで届く 頼んでいなかったはずのケーキが二種類ほど、並んでいた 「・・・・・・・・・・え、えと・・・・・こ、これって」 「たぶん桃子さんだろうな・・・・・あの人ぐらいだろう、こんなことをするのは」 二人してカウンターの中を見ると、こちらの視線に気がついた桃子がにこにこと笑いながら手を振っている その光景にため息を吐きつつ、晴樹は目の前にある料理に目を動かす だが、はにかむようにして笑っているフェイトの姿を見て、硬直した 「・・・・・・・・・・・・・・・晴樹、さん?」 「っ、ごめんごめん・・・・・そろそろ食べようか」 「・・・・・ですね、いただきます」 お互いに顔を赤くしつつ料理を食べる 初々しいカップルに見えるのか、はたまた恥ずかしがり屋の兄妹に見えるのか 桃子たちには恋人同士にきちんと見えていたとのこと、後日分かったことだが・・・・・ 無事?に翠屋から出ることに成功した晴樹たちは公園に向かう いつもならば人が結構居るのだが、今日に限って少ないようだ それを運が良いなと思いつつ、晴樹とフェイトは芝生に寝転んだ 「んー・・・・・・・・・・風が気持ち良いな」 「はい・・・・・気持ちいいです」 「たまにはこんな休日も、いいんじゃないかな・・・・・とか思ったりする」 「ですね・・・・・私も、賛成です」 にこにこと笑いながら、フェイトは晴樹の投げ出した腕に自分の頭を乗せる いわゆる腕枕と言う奴だ かなり大胆な行動に晴樹は驚きつつも、そのまま動かなかった 「・・・・・・・・・木陰があってよかったですね・・・・・涼しいです」 「だな、木陰が無かったらこんな風に寝転べなかっただろうし・・・・・うんうん」 暑い日ざしを遮り、優しいそよ風が二人の間を吹き抜けていく しばらくすると、腕に一層重みが掛かったように感じる 一体どうしてだろうかと、晴樹は疑問に思い隣を見る するとどうだろう、仕事やらなにやらで疲れていたのか、ぐっすりとフェイトは眠っている しかも小さな手は晴樹の手をきゅっと握り、離れないようにしていた その光景に少々微笑みつつ、晴樹は少しだけフェイトの頭を撫でた 「・・・・・・・・・・遊びつかれたのか・・・・・たまには、いいかな」 いつもいつも任務任務で働いているフェイト 本来ならば子供達と一緒に走り回り、遊んでいる年頃なのだ けれども彼女の境遇や、自分達の組織では・・・・・そのようなことは出来ない だからだろう、晴樹はそっと自分の羽織っていた上着をフェイトにかける そして起こさないように起き上がり、自分の膝にフェイトの頭を乗せる いわゆる膝枕というやつだ・・・・・腕枕よりかはいいだろうと、晴樹は考えていたのだ 「良い夢見れると良いな、フェイトちゃん」 眠っていたフェイトは、夢を見ていた それは暖かくて、とても幸せで・・・・・見ている人も笑顔になるような、そんな夢 夢の中のフェイトは、知らない一軒家でリビングのソファに座りながら雑誌を読んでいた 「あれ・・・・・・・・・・あれれ?」 夢の中と分かっていないのか、フェイトはあたりをきょろきょろと見回す 先ほどまでは晴樹と一緒に公園に居たはずなのに、どうして自分はこんなところに居るのだろうかと そして、自分の格好を見ると、フェイトは困惑した 「・・・・・・・・・・え・・・・・大人?」 そう、フェイトは現在二十代ほどの体つきになっており、十代前半の頃とはがらりと変わっていた ツインテールは一本にまとまり、小さかった胸はいつのまにか大きくなっている 少々恥ずかしかったが、フェイトは少しだけ安心した 「・・・・・・・・・・でも・・・・・・・・・・ここ、どこだろう?」 「・・・・・ただいま、フェイト」 「・・・・・え・・・・・晴樹、さん?」 辺りを見回していたフェイトの前に現れたのは、玄関から入ってきた晴樹 けれども外見は今まで見てきた晴樹とはあまり変わっておらず、困惑 そんなフェイトを見ながら、晴樹はにっこりと笑っていた 「なぁに他人行儀なんだよ、フェイト・・・・・ほら、何時も通り呼んでくれよ」 「・・・・・・・・・・いつも、通り?」 「そうそう、晴樹ってな」 「う、え・・・・・えぇっ!?」 「お、驚くこと無いだろう?」 晴樹の言葉に驚くフェイト、そしてそんなフェイトの行動に驚く晴樹 かなりフェイトは困惑していたが、もっと困惑してしまう出来事が起きる それは・・・・・ 「あ、父さん・・・・・おかなさいっ」 「ああ、ただいま・・・・・よし、遊ぶ機会も少なかったし・・・・・あとで遊ぼうか」 「うんっ・・・・・わぁ、楽しみだなぁっ」 晴樹を父さんと呼んだ少年は、外見からすると六歳ぐらいであり、赤い髪が特徴だった 父さんと呼んでいるあたり、晴樹は父親なのだろう そして自分が母親なのだと、フェイトは自然に分かり、赤面してしまった 「母さん、どうしたの? 顔真っ赤だよ?」 「んーどうやら今日のフェイトの様子はどうもおかしいんだよな・・・・・うんうん」 「そっかぁ・・・・・父さんも大変だよね」 「まあ・・・・・こうやってフェイトと夫婦になれたのは、奇跡かもしれないけどな」 はははと笑う晴樹と少年、そんな二人を見つつ、フェイトは赤面 自分が晴樹と夫婦、つまり、結婚したということ そんなことはありえない、だってまだ気持ちを告白していないんだから・・・・・ 「そうだっ、この間リインさんから聞いたんだけど」 「んー?」 「こういう時って嬉しいことをすると元に戻るとか言ってたよ?」 「そうかそうか、さすが我が息子・・・・・・・これで近所のあの子とも仲良しだなっ」 「ど、どどどうしてあの子のことが出てくるのっ!?」 はっはっはと息子をからかう晴樹、そして慌てふためく少年 どうして二人はこんなにも仲が良いのだろうか、そんな風にフェイトは思う その表情が分かってしまったのか、にっこりと笑った晴樹がフェイトに近づく 「フェイト、最近してなかったからなぁ・・・・・寂しかっただろう?」 「え、え?」 「うんうん、気にしなくて良いって・・・・・こういうのは夫の役目だからな」 だんだんと晴樹の顔が近づくにつれて、フェイトの顔は真っ赤なトマトのようになる 息子であろう少年はその光景に赤面し、後方を向いていた 一体どういうことだろうか、そんな風に思いつつ、フェイトは混乱する 「フェイト、愛してる」 「あ、う・・・・・・・・・・そ、その」 「フェイトは・・・・・俺を愛してくれないのかな」 「そっ、そんなこと・・・・・・・・・・ない、です」 「うん・・・・・・・・・・じゃあ」 こつんと晴樹の額がフェイトの額に当たる そしてフェイトの目には、晴樹の目が映りこみ、顔を真っ赤に染める その光景に晴樹はにっこりと笑ったまま、問いかけた 「フェイトの気持ち、教えて欲しいな」 「わ、私は・・・・・・・・・・晴樹のことを・・・・・・・・・・」 ガバッと起き上がりながらフェイトは自分の頬に手を当てる 真っ赤に染まり、今にでもオーバーヒートしそうなぐらいに熱くなっている なんで自分はあんな夢を見てしまったのだろうか、そんな思考ばかりだ 「おはよう、フェイトちゃん・・・・・良く眠れたかな?」 「あ・・・・・は、晴樹・・・・・さん」 こてんと倒れたあと目線に見えるのは晴樹の姿 どうやら自分は膝枕されているようだと、この時点で気づく そしてその光景を想像し、真っ赤に頬を染めた 「最近疲れていたんじゃないのか? ぐっすりだったぞ」 「・・・・・あ・・・・・・・・・・ごめんなさい」 「謝らなくていいって、管理局の労働体形が悪いだけだからな・・・・・うんうん」 起き上がったフェイトの頭を撫でつつ、晴樹はうんうんと頷く 晴樹の父親のように大きな手に、少々くすぐったさを感じながら、フェイトは目を細める まるで猫のようだ 「でもその様子だと、良い夢見れたみたいだな」 「・・・・・え?」 「疲れも殆ど見えないし、寝ているとき、凄い幸せそうだったからな」 「・・・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・はい」 晴樹の優しさに触れ、フェイトは心にぽっと小さな温かみが生まれるのを感じる 何気ない優しさ、それがどれだけ人に影響を与えるのか それをフェイトはしっかりと感じ取ることが出来た 「どんな夢を見たのかな?」 「あ、え、えと・・・・・その」 「はっはっは、無理には聞かないよ・・・・・良い夢みたいだからね」 「・・・・・はい」 ぐっと伸びをしながら晴樹は立ち上がり、いつの間にか沈み始めている夕陽を見る どうやら三時間ほどフェイトは眠っていたようだ それに気づき、晴樹に謝ろうと立ち上がったが、晴樹が先に口を開いていた 「そう言えば・・・・・フェイトちゃん」 「・・・・・なんですか?」 「フェイトちゃんは・・・・・いま、幸せかな?」 「・・・・・・・・・・はい、なのはやはやて、クロノたち・・・・・皆に囲まれて・・・・・幸せですっ」 「そうか、それはよかった」 晴樹の言葉にきちんと答え、フェイトは晴樹の顔をじっと見つめる フェイトに見つめられて少々照れていたのか、晴樹はくるりと方向を変えて歩く そろそろ帰ろうかと言う合図だった 晴樹の後ろを歩きつつ、フェイトはふと何かを思いついたかのように表情を変える そして晴樹の歩くスピードよりも早く歩き、晴樹の前まで歩いて止まる フェイトにあわせて止まった晴樹は、首をかしげながらフェイトを見た 「晴樹さん」 「・・・・・どうした?」 「さっき私・・・・・幸せって言ったでしょう?」 「ああ、確かに言ったよ」 自分が言った言葉を晴樹に確認させ、フェイトはにこにこと笑う そんなフェイトの笑顔を見つつ、晴樹は首を傾げる 晴樹の行動に笑顔を浮かべながら、フェイトは今まで以上ににっこりと笑う 「でも、晴樹さんと一緒に居る時間が・・・・・一番幸せですからっ」 「・・・・・・・・・・え」 「それだけっ・・・・・はやく行かないとはやてたちに怒られちゃいますよっ」 晴樹の頬に一瞬だけの口付け、そして駆け出していく 一瞬の出来事に戸惑っていた晴樹だったが、駆け出したフェイトを見て苦笑い そして、ぽりぽりと頬をかきつつ、走り出す 今が幸せならばそれでいい、うん、それでいいじゃないか そんな風に思いながら、晴樹はフェイトを追いかけて走る 振り向かずに走るフェイトの表情は照れながらも、笑顔 こんなに幸せになる気持ちは、初めてだった だからこの気持ちを大切にしよう、そんな風にフェイトは思う 晴樹と並びながら走り、フェイトはそっと晴樹の手を握る・・・・・ 二人の顔はずっと笑顔で・・・・・そんな二人の一日だった
〜後書き〜 はい、短編の投票結果見事一位に輝いたのは、フェイトちゃんでしたーっ はやてと激戦を繰り広げていましたが、フェイトちゃんが栄光を手にしました。 今回のお話はA's終了から七ヵ月後ぐらい、つまり今のような七月ぐらいの季節です、だから海(ぁ リンディ提督とかヴォルケンとかなのはとかが一切用事でいないというトンデモ設定(ぉ じゃあアリサとかはどうなるん?とかは聞かないで下さい、暗黙の了解と言うことで(;y=ー(゚д゚)・∵. ターン しかも短編だというのに本編の一話よりも長い20kbほど・・・・・凄く、打ちました(ぉ さて、こんなお話ですが、暇つぶしにでもなれば十全です。 全然甘くないじゃないかっとかいう突っ込みもOKですので拍手でも掲示板にでも感想を書いてくれると嬉しいです。 ではではーっ


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