憎


     あなたが触れたその指は、熱を帯びて、踊ってる


     あたたかな指に触れる腕、ぎゅっと僕は抱きしめた


     ふっと離れる腕と指、名残惜しげに離れてく


     嫌だと言いつつ、抱きしめる、君は積極的なんだ


     けれど君は一児の母、僕はただの会社員


     君の夫が迎えに来るまで、それが僕たちの時間


     背徳的な時間、けれど甘美なる時間


     触れ合う指先悲しくて、けれど愛は燃えている


     そっと触れ合う唇に、彼女の甘い味がした


     けれど僕は離れてく、愛はアイであいであるから


     僕は君を憎んでいる、好きだけど、嫌いだ


     君は僕の全てを奪う、心、身体、命さえも


     僕は君から逃げられない、無論、君も、逃げられない


     だから僕は憎んでいる、君の全てを、憎んでいる


     でも僕は離れない、君のことが好きだから


     愛しても愛しても、憎しみに変わるから


     だから、君から逃げられない


     君も僕から逃げられない、君と僕は同じだから


     触れ合う唇、離れてく


     名残惜しげに、離れてく


     脳裏によぎる、罪悪感


     だから僕は言ってみた


     これ以上は、押さえ切れないから


     だから僕は言ってみた


     君と僕は、もうだめだ


     だから僕は言ってみた




     最初で最後の、さよならを














後書き お題の【あ】で、題名【愛憎】 憎いほど憎いほど、愛に変わってく、もしくは愛するほど憎しみに変わる そんな風なことが現されているといいなぁと思ってみたり さて・・・・・頑張りましょうかね


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