目が覚めるとそこはいつもの変わらなくて、ただの毎日が広がっている なにも感じる事はない、何も変わらない世界が続いている 本当に何も無い世界・・・・・空虚な世界 そんな中で、俺は今を生きている・・・・・いや、現実から逃げているのだろう 本当ならば、あの日の当たる場所に戻りたい・・・・・けれど、今の俺では無理だ 何せ俺の心は・・・・・日の当らない場所にあるから D.C.O.S.V 〜夢の再来〜 一章「The sister who grasps a key」 〜Side-純一〜 学園に着いた純一、そして音夢はいつも通りに自分の教室に向かう 普段と同じ教室にたどり着き、純一は自分の席に座った 「よう同士朝倉、今日も元気そうだな?」 「・・・・・人のどこを見ればそんなことが言えるんだ?杉並」 「無論、いつも通り皮肉に決まっているだろう?」 純一に話しかけてきた人物、それは杉並琢也 頭脳明晰スポーツ万能、顔もいいという才色兼備の男である だが、一つだけ決定的な問題がある それは、皆も知っているだろう・・・・・あれだ 「昨日はすごかったぞ、大佐が未知の生物を発見したのだ」 「・・・・・・・・・・大佐って誰だよ」 「ふっ、我が非公式新聞部に入れば・・・・・教えてやらんこともない」 こんな風にかなり違った方向に頭を使うことが多い なので風紀委員からは睨まれている人物である・・・・・ 「それでだ同士朝倉よ、ニュースがある」 「なんだ? お前がニュースと言うんだから・・・・・転校生か何かか?」 「流石だな同士よ、さっぱり合格だ」 「なにがさっぱりだ」 杉並は純一の言葉を無視して話し始める そして本当に転校生がくることを教えてもらった 「・・・・・転校生が、本校と付属に一人ずつか」 「しかも姉妹ときた・・・・・あいつが居れば面白かったものを」 「・・・・・・・・・・あいつ?」 「そう、あいつだ・・・・・顔は思い出せても名前が浮かんでこない、同士だということは分かっている」 杉並から発せられる"あいつ"という単語 純一の脳裏には影森裕也という単語が浮かんでいた 「・・・・・さて、そろそろか」 「ん、HRだな」 思い出す前に先生が入ってくるので、杉並は自分の席に戻っていた 純一もそのまま自分の席に座るのであった 〜Side-さくら〜 「はいはい、分かってるから騒がないのー!」 そう言いながら芳乃さくらは教室に入っていく 何が分かってるのか?それは簡単、転校生が来るということである 本当は転校生ではなく、ただの編入生なのだが・・・・・ そんなことはお構いなしで学園中はざわついている なので編入生も転校生も関係がなくなってしまっている それだけ学園の生徒がイベントに飢えているというのは目に見えるほど分かるのだが 「はぁ・・・・・それじゃあ、入ってきてね〜」 「はい」 さくらの声と共に聞こえるソプラノボイス その人物が入ってくると、クラスの男子生徒は沸き立った 「えーっと、自己紹介よろしくっ」 「えと、『鶴ノ瀬 雅』です、学校に通うのは久しぶりなので、よろしくです」 ぺこりとお辞儀をするとまた沸き立つクラス そんなクラスをさくらは苦笑いで見ていた 「雅ちゃん尾根から来たんだぁ、そんでもってちょーっと家の用事で学校に通ってなかったけど、仲良くね〜」 『はーい!』 一致団結するクラスメイト、やはりあの人のクラスだなとさくらはまた苦笑い あの人は――佐伯暦のことをさす 「さてとっ、本当は次の時間は暦先生の授業なんだけど・・・・・いないから質問タイムってことでよろしくー」 やはり自分もクラスの一員なのかもしれないと思いながらさくらは言葉を吐く 生徒と教師の見分けが付かないが、それは気にしない 「うーん、ちょっと失敗?」 そういうさくらの目には雅に群がるクラスメイトたち そして苦笑いで質問に答えている雅の姿 「ん?成功・・・・・なのかな?これでも」 「さくら・・・・・俺のほうを見ていっても関係ないと思うが?」 「お兄ちゃん?学校ではさくら先生って呼んでよ」 「それならお前も朝倉って呼べっての」 自分の従姉弟を見ながら呟くと、そう返される やはり自分はまだまだ子どもだなと、また苦笑い そしてまた雅のほうを見て、微笑む 仲良くできて、よかったと 〜Side-雅〜 鶴ノ瀬雅は押し寄せるクラスメイトの質問に律儀に答えつつ、違うことを考える 頭の隅に残っている人物の名前、その名前の人物を探している 「鶴ノ瀬さんって兄妹居るの?」 「あ、うん・・・・・妹が付属にいるんだけど」 「へぇ、名前は?」 「理乃っていうの」 探している人物を聞いてみたいが、今はクラスに溶け込むのが大切だと思い、話題に載る その話題は自分の妹、理乃のことだった 「理乃ちゃんか・・・・・今度紹介してね?」 「うん、出来たらね」 「頼むよー」 女子生徒とは馴染むことができた、やはりこれはクラスの人たちが気さくなのが原因だろう もしも普通のクラスだったらここまで馴染むことはできなかっただろうと思った 「あれ、鶴ノ瀬さん・・・・・そのリストバンド」 「雅でいいよ、あ、これね? 妹からのプレゼントなの」 「そっか・・・・・それなら私のことも音夢でいいですよ」 雅に話しかけた女子生徒――朝倉音夢はリストバンドの話題を出す それに雅は答えた、そう・・・・・大切な妹のプレゼント 「それにしても・・・・・男子はみんな群がってくるんだね」 「ええ、こういうイベントには目が無いみたいで・・・・・はぁ、兄さんが反応しないだけ良しとしましょうか」 「兄さん?」 「はい、今芳乃先生と話しているあの人のことですよ」 音夢は雅にそう言って兄である純一のほうを見る その純一はさくらと会話中、かったるそうにする純一と苦笑いのさくら そんな構図が見て取れた そんな音夢を見ながら雅は一言だけ言葉を発した 「・・・・・名前、なんだっけ?」 「兄さんの名前ですよね? 朝倉純一っていいます」 「朝倉君ね、うん・・・・・覚えた」 「なんで覚える必要があるんですか・・・・・ってクラスメイトですから当然ですね」 「なんていうか、音夢と行動すると多分お兄さんのほうもオプションで付いてそうだから」 確信を突いたような言葉に音夢は絶句 言った本人である雅はそんな音夢に苦笑いをした 「妹思いのいいお兄さんなんだろうなぁと思ってみたり」 「・・・・・それなら雅は妹思いのお姉さんって感じですね」 「そうきますか・・・・・」 二人であははと笑い合う 会話についてこれなかったほかの生徒達も内容が分かって笑い合う やはりこのクラスはいい人ばかりだと雅は思う ここなら理乃も生活が出来るかもしれない・・・・・そう、心の中で思った 放課後になり、雅は友人になったばかりの音夢、そしてその兄である純一と一緒に帰る 帰る方向が丁度一緒だったこと、そして妹を見たいという音夢の要望でもあったから 「それで、いつ頃来るんです?」 「そろそろだと思うけど・・・・・っと、来たきた」 「お、あの子か」 三人の目には数人の女子生徒に手を振って分かれる雅の妹が映る そしてその妹は姉の姿を見つけると、笑顔になって駆け寄ってくるのであった 「・・・・・お姉ちゃん、待っててくれたんだ?」 「当然よ、一緒に帰るのが基本だからね」 「うん・・・・・・・・・・っ、お、男の・・・・・人」 笑顔で話していた妹の理乃だが、純一の姿を見た途端に姉の後ろに隠れてしまった そんな風景を音夢は呆れたようにして兄に言う 「兄さん、邪な考えをしていたわけでは・・・・・無いんですね?」 「おいおい・・・・・そんなこと考えられるかっての」 「気にしなくていいよ、理乃はちょっとした男性恐怖症だから」 そう言って理乃の頭を撫でる雅 くすぐったそうにする理乃だが、されるがままになっていた 「ほら理乃、自己紹介」 「・・・・・鶴ノ瀬、理乃です・・・・・よ、よろしく」 「私は朝倉音夢、こっちが兄さんの純一です」 「よろしくな、理乃ちゃん」 笑顔で言う純一だが、その純一を見て理乃は少しだけ姉の後ろに引っ込む それを見て純一は苦笑い状態だった 「こりゃ重傷だな」 「・・・・・ええ、困ったものですが・・・・・理由が理由だから」 「・・・・・理由?」 「音夢は学園で初めて出来た友人、朝倉君はお兄さんだから言うけど・・・・・理乃は過去に暴漢に遭ったの」 いきなりの暗い話、ぎゅっと姉の制服を握る理乃 その行動を見て音夢と純一は本当なのだと、理解をした 「・・・・・・・・・・そうか、なら納得はいくな」 「でも朝倉君なら少しは大丈夫みたい、いつもなら走って逃げるから」 「よかったですね兄さん、理乃ちゃんに嫌われていないようですよ?」 「まあ、喜んでいいのかは分からんけどな」 はははと笑って純一は理乃の方を見る 先ほどと違って、理乃はコクリと挨拶をするように頷いていた 〜Side-純一〜 理乃の紹介を終えた一行は、自宅へ向かって歩き出していた 純一は妹とその友人である雅の少々後ろを歩いている その純一の隣には男性恐怖症であるはずの妹の理乃が存在した どうやら懐かれたみたいね、と姉の雅は言っていた 「そうだ、理乃ちゃんたちの家って・・・・・どこなんだ?」 「・・・・・・・・・・――だよ?」 「ってことは、俺たちの家からかなり近いじゃねーか」 そんなことを呟くと、雅が反応していた それに続いて音夢も反応した 「あれ、そうだったの?雅」 「そうみたいね、朝倉君たちの会話からすると」 時間を気にしながら歩かなくていいと感じ、ペースが少しだけ上がる やはり時間に追われながら話すのは苦手らしい 「そう言えば、鶴ノ瀬たちは前までどこに通ってたんだ?」 「雅でいいよ・・・・・えーっとね、実は学校に通っていなかったり、だから編入生かな?」 「・・・・・おいおい」 「・・・・・・・・・・小学校までなら、通ってた」 ぼそっと呟く理乃に「そうだったね」と雅はいう やはりその原因は理乃の過去にあるという 「理乃ったら、本当に男の人が苦手みたいで・・・・・学校にも行けなかったの」 「なら雅・・・・・俺と理乃ちゃんのこの状態は何なんだ?」 「言ったでしょ?朝倉君はお父さんみたいなものよ、だから懐かれたんだと思う」 お父さんみたいといわれ、純一は理解に苦しんだ この年でお父さん呼ばわりされるとは思いもしなかったからだ 「話は変わるけど、ならなんで通おうと思ったんです?」 「それはね、探している人が居るから・・・・・もしかしたら学園に居るかもって思って」 「・・・・・探している人?」 その言葉に引っかかりを感じ、純一は問いかける それに答えるように雅が口を開くが、また閉じてしまう それを代弁するかのように、妹である理乃が口を開く そして、音夢と純一は絶句することになる 「・・・・・・・・・・影森、裕也って人」 「こら理乃・・・・・まあ、その人を探しているの」 影森裕也・・・・・消えてしまったと従姉弟から聞かされた名前 そして、自分の親友に当たる人物 その名前が何も知らない編入生から言われたのだ そんな二人を見ながら、雅と理乃は首を傾げるだけだった 「朝倉君・・・・・心当たりでも?」 「・・・・・・・・・・先輩」 「ああ・・・・・」 重い口を開き、純一は答える 雅の隣に居た音夢は唇を少しだけ震わせていた 「影森裕也は・・・・・俺たちの親友で、世界から消えた人物だ」 その言葉は自分の無力さを現しているようで まさに、呪詛のような言葉だった・・・・・
〜後書き〜 藤祭:オリキャラ姉妹登場、そして裕也との関係がっ!? 雪絵:ゆーさん、お仕置きですぅ〜 藤祭:まあ・・・・・ヒロイン関係ではないんですけどね 雪絵:・・・・・へぇ? 藤祭:こ、怖いなぁ・・・・・理乃の過去と関係しております 雪絵:えと、暴漢事件・・・・・ですか? 藤祭:その通り・・・・・一応設定上に組み込みたいかと 雪絵:なるほどです〜 藤祭:さて、次回は影森夫妻が登場です 雪絵:あら?出番が無かったはずでは? 藤祭:それはあなたの脳内妄想です、きっかりちゃっかり出てきます・・・・・重要です 雪絵:そうなんですかぁ〜 藤祭:や、やりにくいなぁ・・・・・で、では次回で会いましょう 雪絵:ではでは〜 <オリジナルキャラクター紹介> Name :鶴ノ瀬 雅<ツルノセ ミヤビ> Age :16歳 School:風見学園本校1年A組 Date :153cm 44kg 81/53/80 ―――:物体強化:――― 物語の最重要人物で、新たな能力を持った人物でもある 過去に妹が暴漢に襲われ、それを守りたいと願った自分の願いによって具現化した能力を持つ 今では男性恐怖症になってしまった妹を守るために力を利用している 特徴としては、薄い青いロングの髪、そして意外と童顔な顔つきだろう 「あの人は私たちの道標、絶対に見つけ出すんだから・・・・・」 Name :鶴ノ瀬 理乃<ツルノセ リノ> Age :15歳 School:風見学園付属3年B組 Date :149cm 40kg 77/50/79 ―――:拒絶:――― 同じく物語の最重要人物で、こちらも新たな能力を持った人物 過去の事件のせいで男性恐怖症になっている いつも姉である雅の後ろを付いて歩き、身を守っている なお自分のことを理乃と呼んでいる、少々幼げな少女である 「・・・・・あの人は、理乃が興味を持った人だから、だから・・・・・探すの」