夢空間〜あまつかぜ・いにしえの100の夢たち「百人一首の優雅な世界」〜第12回

それでは、第12回の歌を見ていきましょう。

「世の中は 常にもがもな 渚こぐ あまの小舟(おぶね)の 綱手(つなで)かなしも」
鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)
注意)当時使用した、国語の古典資料を参考に、表記しております。 今の世の中は、いつまでも変らないでいてほしい。 海辺で、海人(あま)が小舟の引き綱を引いている光景が、静かでしみじみとしているよ。 今でも田舎に行けば、出会う光景です。 最近、なにかと騒がしく悲しい世の中になっていますが、静かな情景に出会うと ずっとこの時間を止めておきたいと思ってしまいます。 旅に出るというものは、けして観光だけではなく、心の景色を探しに 歩くものなんですよね。
「来ぬ人を まつ帆の浦の 夕なぎに やくや藻塩(もしお)の 身もこがれつつ」
権中納言定歌(ごんちゅうなごんていか)
注意)当時使用した、国語の古典資料を参考に、表記しております。 来てはくれない恋人を待ちわびる私の心は、夕凪に焼く藻塩の炎のように 焦がれています。 藻塩・・・海藻に潮水をかけて乾燥させて焼いたものを、更に潮水に溶かして      上澄みを集めて煮詰めてできた塩。 バックナンバー
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