ヤエヤマブキ(八重山吹)
Since 2007/04/26


 日本各地の谷沿いの湿った斜面などに野生するヤマブキは、花びら5枚の一重咲きです。その雄しべが花弁化し、雌しべが退化して八重咲きになった園芸品種がヤエヤマブキです。ヤエヤマブキは(雄しべ、雌しべが退化しているので)実はできません。昔から庭先などに植えられている「ヤマブキ」は、たいていヤエヤマブキです。写真は2007年4月23日に実家(兵庫県相生市)で写したヤエヤマブキです。

 ヤマブキには白花種もありますが、それとは別に、シロヤマブキと呼ばれる別の花があるので要注意です。シロヤマブキは、全体が(ひとえの)ヤマブキに似ているのでそう呼ばれていますが、花弁やがく片が4個であり、別種とされています。

  七重八重 花は咲けども山吹の 実の一つだに無きぞ悲しき

 後拾遺和歌集にある兼明親王のこの歌は、江戸城をつくった太田道灌の故事とともに、昔は子ども向けの偉人伝などによく紹介されていたのですが、ちかごろはどうでしょう?。

 鷹狩りに行った道灌はにわか雨にあい、とある農家に立ち寄って蓑(みの)を借りようとした。しかし出てきた娘は、そばのヤマブキの花を手折り、無言のままさしだすばかりだった。道灌はその意味が分からず、怒って帰った。その後この古歌を教えられた道灌は、自分の無知を恥じて、大いに歌道に励んだという。(清水建美:週刊朝日百科「世界の植物57」より ) 

 「蓑がない」ことを、「実のない」ヤマブキで伝えようとしたというお話です。この歌に詠まれているヤマブキは、当然ヤエヤマブキです。 

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