ポポー
Since 2006/05/10
Last updated on 2006/09/26


 4〜5年前に出来心で実生1年目の小さなポポーの苗を買って畑の隅に植えておいたところ、今年初めて花が咲きました。私が気付くより早く、アリやカミキリムシが集合していました。撮影は2006年5月9日。

 ポポーは北アメリカ原産のバンレイシ科の落葉高木で10b近くにまでなります。日本では明治27〜28年頃小石川植物園に植えられたのが最初で、その後少しづつ各地に広まり、戦後は大手種苗会社の通信販売等で扱われ、人気になった時期もあったようです。世界大百科事典(平凡社)では「ポーポー(papaw)」と表記されています。

 果実はクリーム状で柔らかく、甘味が強く熱帯果実のような独特の香りがあり、「森のアイスクリーム」とか「森のカスタードクリーム」などと呼ばれています。しかし近年はほとんど見かけません。その理由としては、独特の「香り」は人によって好き嫌いがある、タネが多くて食べにくい、傷みやすいので商品流通が困難、国内では果樹園としての栽培が無い、などが考えられます。

 花は両性花ですが、基本的には受粉樹が必要です。成長して花数が多くなれば1本でも結実します。めしべがおしべより先に熟すので、確実に受粉させるには人工授粉を行います。先に咲いた花のおしべを冷蔵庫で保存しておいて、後から咲いた花のめしべに受粉させるのです。私は1本しか植えていないので、人工授粉を試みるつもりです。

(写真はクリックすると大きくなります。)

 

【追記】2006/09/26

 高さ1bほどの若木に初めて咲いた花(計8個)を、筆を使って簡単に人工授粉しておいたところ、3個の果実が得られました。9月15日、自然落果したので持ち帰り、記念撮影してから食べました。外観はムベの果実に似ており1個80〜100c。中に6〜7個の種子がありました。富有柿の種子をひとまわり大きくしたような形状です。

 種子が大きいので、外観の割に果肉(食べるところ)が少ない感じですが、風味は上々。来春には実生を試みるつもりです。

        


 

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