播磨びと、わが道 上郡町郷土資料館学芸員 島田 拓(ひろし)さん(38)
2015/03/15   神戸新聞

 古代、都と九州・太宰府をつなぐ山陽道が東西に貫いた。中世には、足利尊氏の挙兵に呼応し、武功を挙げた武将赤松円心らが活躍した。歴史豊かな上郡町。その町の郷土資料館で2003年から学芸員を務める。

 北海道で育った。小学生のころから古代史に関心を持ち、近畿大大学院に進んで埴輪(はにわ)の研究に没頭した。「考古学で食べていこう」。遺跡の土を掘り返しながら、そう思った。

 だが、大学院を修了した時期は就職氷河期。学芸員への就職活動は苦戦の連続だった。そんな中、上郡町の募集記事を偶然見つけ、応募。約60倍の難関をくぐり抜けて採用された。

 「上郡って兵庫県のどのあたりだろう?」。そんなところから勉強し、よそ者♀w芸員の仕事が始まった。泥まみれになって年に10カ所以上の遺跡を調査する傍ら、それまでにはなかった歴史講習会などのイベントを企画してきた。理想とするのは住民に開かれた資料館だ。

 研究と資料館運営をこなす厳しい日常だが、モチベーションは高い。「遺物のかけらが土の中からのぞいたときの感動は、ずっと忘れられない」と、発掘した土器を見つめながら話す。

 「上郡には国指定史跡の野磨駅家(のまの うまや)など、県内有数の貴重な遺跡がたくさんある。そんな奥深い地元の歴史を、住民の人たちにもっと知ってほしい」

 今後は資料館の入場者数増を目指すつもりだ。「僕のようなよそ者≠セからこそ出せるアイデアがあると思うんです」

(杉山雅崇)



【とんび岩のコメント】

 上郡町の郷土資料館にちゃんとした学芸員がおられるとは知らなかった。ちょっとした驚き。小さくて、財政事情も芳しいとは思えない自治体で、モチベーションを高く保って頑張っておられる姿を想像すると、なんとなく(陰ながら)応援したくなる。

 我が町相生市にも歴史民俗資料館という建物があるが、学芸員さんは居るのだろうか?。


『新聞(西播磨)』に戻る





 

ナスカ無料ホームページ無料オンラインストレージ