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エビネ属
Genus Calanthe Robert Brown 1821
 分布:旧大陸・新大陸。東アジア〜東南アジア、中央アジア。オセアニア〜豪州東部。阿弗利加熱帯域〜南阿弗利加、マダガスカル島。中米〜西印度諸島。
 形態:多くが地生種。花茎は直立・小さな花がびっしりと並ぶ。多くの種類の花に距がある。
 栽培:ランクBランクCランクD。鉢(赤玉土・鹿沼土。北方系には燻炭混入)。肥料(耐暑性のある南方系の種は腐葉土などを多めに用土に混入。北方系の種類は有機肥料を一切混ぜ込まず、置肥のみで対処する)。微量元素欠乏も障害が出るので補給する。通風(必須)。冬季はやや乾かし気味とする。地植え可(場所は木漏れ日の当たる・若しくは明るい日陰)。直射や乾燥甚だしい場所では枯れる。逆に年中日陰に置くと葉芽ばかり展開して花芽が出ない。一般的・南方系の種類は勿論、北方系種も冬季の休眠期に直射日光を当てた方がよい(〜3月くらいまで)。高地性種は熱帯夜が続く夏越しが難儀であり、そういった場所ではCypripedium属様の管理を要する。植物体が前年より小型になったら要注意。南方系の種類は冬季最低気温を5〜10℃位に保つ。繁殖は株分けにより、増殖率は良い。山採り品・及びこれの株分け増殖品は全てウイルスに感染しているので、症状が出ないよう適性に管理し、無菌培養品などと一緒にしない。ウイルスで枯れる事など無いので、割り切って楽しむのがよい。花枝は鋏で切らずに引っこ抜くとよい。引っこ抜いた後は頭上灌水・降雨などに当てぬようにする。





Calanthe alismaefolia John Lindley 1854 [●]
 syn.Calanthe fauriei [達磨海老根、Daruma-Ebine]
 syn.Calanthe japonica [広葉Calanthe、Hiroha-No-Karan]
 分布:日本(九州南部〜南西諸島)、台湾、中国。
 形態:花は全体が白い。唇弁が幅広く突き出す。
 栽培:ランクD。南方系の扱い。
 備考:夏咲エビネと呼ばれるもの。絶滅危惧IA類CR(環境省)。絶滅危惧種(沖縄)。

Calanthe aristulifera Heinrich Gustav Reichenbach  []
 syn.Calanthe aristulifera var.kirishimensis [霧島海老根、Kirishima-Ebine]
 分布:日本(本州南部〜四国〜九州)。
 形態:花は白〜ピンク〜青紫。何れの場合も淡い色調。
 栽培:ランクD。南方系の扱いだがかなり低温でも可。
 備考:×discolor[肥前]。×sieboldii[肥後・黄花霧島]。×var.izu-insularis[水晶蘭]。交雑種となると本種の特徴は他種に消される場合が多い。絶滅危惧1A類(環境省)。絶滅危惧IA類(山口)・絶滅危惧1A類CR(愛媛)・絶滅危慣IA類CR(高知)・絶滅危惧TB類(宮崎)。鹿児島県希少野生動植物の保護に関する条例指定種。

Calanthe discolor John Lindley 1838 []
 [海老根・地海老根、Ebine・Ji-Ebine]
 分布:日本(北海道〜本州〜四国〜九州〜南西諸島)。
 形態:唇弁は淡色・他の花弁は濃色。色調は地域ごと・個体群ごとに微妙に異なる。
 栽培:ランクD。鉢植え・地植え(樹の根元など)。鹿沼土・赤玉土。湿度。肥料。国内であればあまり条件を気にしないが、直射・極端な低温は不可。増殖は株分け・バルブ吹かしで容易だがウイルスに感染しやすいので注意。
 備考:×aristulifera[肥前]。×aristulifera×sieboldii[薩摩]。×aristulifera×aristulifera var.izu-insularis[御蔵]。×aristulifera var.izu-insularis[神津]。×tricarinata[石鎚]。×sieboldii[高嶺](syn.var.bicolor)。危急種(岡山)・絶滅危惧U類(宮崎)。

Calanthe furcata James Bateman ex John Lindley 1838 []
 [鶴蘭、Tsuru-Ran]
 syn.Calanthe triplicata
 分布:日本(九州南部〜南西諸島)、中国南部〜インド、オセアニア(ニューギニア)。
 形態:花は全体が白色。花茎は環境が暗いほど良く伸びる。
 栽培:ランクD。南方系の扱い。花弁は純白で美しいがかびやすいのが欠点。蕾のうちからかびるので抗真菌剤をまくと良い。
 備考:夏咲エビネと呼ばれるもの。和名は伸びた花茎と花塊を鶴の頸に見立てた。絶滅危惧II類VU(環境省)。

Calanthe gracilis John Lindley var.venusta (Friedrich Richard Rudolf Schlechter) Maekawa Fumio
 [砥草蘭、Tokusa-Ran]
 non.Calanthe vestita John Lindley 1833
 syn.Cephalantheropsis gracilis var.venusta
   Cephalantheropsis obcordata
 分布:日本(九州南部)〜台湾。
 形態:冬季落葉。花は全体が黄色。遠くから見ると花火が弾けているように見える。他の本属とは見かけが相当異なることから、別属を立てる意見が根強い。
 栽培:ランクD。南方系の扱い。
 備考:変種を認めない場合、分布域はインドまで広がる。夏咲エビネと呼ばれるもの。

Calanthe masuca (David Don 1825) John Lindley 1832
 [尾長海老根、Onaga-Ebine]
 分布:日本(九州〜南西諸島)、中国。
 形態:距が目立つ。
 栽培:ランクD。南方系の扱い。
 備考:絶滅危惧II類VU(環境省)。危急種(沖縄)。

Calanthe nipponica Makino Tomitaro [画像]
 [金精蘭・金星蘭・金晴蘭・金清蘭、Kinsei-Ran]
 分布:日本(北海道〜本州〜四国〜九州)。
 形態:花は緑がかった黄色で唇弁は淡色。
 栽培:ランクB。北方系。暑さを嫌うため低地での管理は困難。
 備考:EN(環境省)。EN(北海道)・Bランク(青森)・絶滅危惧T類(福島)・絶滅(群馬)・絶滅危惧IB類EN(静岡)・絶滅危惧 I 類(石川)・EN(三重)・絶滅危惧(岡山)・絶滅危惧種(廣島)・絶滅危慣IA類CR(高知)・絶滅(宮崎)。黒磯市希少な動植物の保護に関する条例指定種。

Calanthe okinawensis Hayata Bunzo  [●]
 [琉球海老根、Ryukyu-Ebine]
 分布:日本(九州南部〜南西諸島)。
 栽培:ランクD。南方系の扱い。
 備考:交雑種(furcata×masuca)とも言われる。

Calanthe reflexa Carl Johann Maximowicz 1873 [画像]
 [夏海老根、Natsu-Ebine]
 分布:日本(北海道〜本州〜四国〜九州)、朝鮮。
 形態:花色は白で唇弁は青紫。
 栽培:ランクB。北方系。暑さを嫌うため低地での管理は困難。
 備考:var.okushirensisは葉の裏面に短毛密生。絶滅危惧II類VU(青森)・絶滅(群馬)・絶滅危惧(岡山)・絶滅危惧IA類(山口)・絶滅危惧U類(宮崎)。

Calanthe sieboldii Joseph Decaisne ex Eduard August von Regel 1868
 [黄海老根・南京海老根、Ki-Ebine・Nankei-Ebine]
 syn.Calanthe striata
 分布:日本(本州〜四国〜九州)。
 形態:花は全体が黄。
 栽培:ランクD。南方系。国産の本属中最も容易。増殖率も良い。
 備考:鮮やかな黄色は世界中に受け、各国で大量に増殖されている。×aristulifera[肥後・黄花霧島]。×discolor[高嶺](syn.discolor var.bicolor)。絶滅危惧(岡山)・絶滅危惧I類CR+EN(島根)・絶滅危慣IA類CR(高知)。

Calanthe tricarinata John Lindley 1833
 [猿面海老根、Sarumen-Ebine]
 分布:日本(北海道〜本州〜四国〜九州)、台湾、中国。広葉樹林帯。
 形態:丈がしばしば50cmを超える(周囲に支えの植物が密生している場合)、本属では大型の部類。冬季にも落葉しない。花に距が無い。
 栽培:ランクB。北方系。暑さを嫌うため低地での管理は困難。
 備考:×discolor[石鎚]。絶滅危惧IB類EN(環境省)。危険(青森)。CR(長野)。絶滅危惧IB類EN(静岡)。県域絶滅危惧1類(福井)。絶滅寸前種(京都)・絶滅危惧(岡山)・危急種(廣島)・絶滅危惧IA類(山口県)・絶滅危慣IA類CR(高知)。岐阜県希少野生生物保護条例指定植物。


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