まずはフランスとパリのことを知ってもらいましょう。まずはフランスの基本データの紹介です。
さて、こうしてデータを見るだけでもわかるように、日本の1.5倍の広さに日本の半分の人口しかいません。つまり、人口密度は日本
よりもはるかに少なく、ゆったりとしたイメージが感じられます。実際、旅をしてみても、パリから離れると田園風景が多く見られます。
それ故、田舎に行けば行くほど、日本とは比較にならないほど、土地が広々とした感じがします。
公用語はもちろんフランス語。他のヨーロッパの国々と同じく、元はラテン語から派生した言葉で、フランス以外では、フランスが元々
植民地にしていた北アフリカのモロッコやチュニジア、アジアのベトナムなどでも使われています。ブルトン語やバスク語などは、フラン
スとスペインの国境付近に住む少数民族が使う言葉で、日本では馴染みのない言語です。
さて、フランス人は一般に、自国の文化に誇りを持ち、プライドが高いとされています。確かに、旅行者からは「フランス語で話さない
と返事をしてくれない」とか、「英語は嫌われる」という言葉をよく聞きます。しかし、実際にはパリのような国際都市では、フランス語
圏以外の人々も多数滞在している関係上、英語でも通じるところは通じます。例えば、ホテル、観光地、有名ブティック、デパートなど。
しかし、田舎に行けば行くほど、やはりフランス語率は高まるので、フランスの田舎へ行こうと思う方は、是非フランス語の基礎だけでも
身につけた方がいいでしょう。
フランスというと、大抵の人は、ファッションの国とか、華やかなイメージを持ちますが、これはパリが「花の都」とも言われることと
関係しています。もちろんイメージだけでなく、現在の世界モードの中心は、有名なパリコレクションです。多数のデザイナーたちがしの
ぎを削り、世界のファッション文化をリードして行こうという意気込みに溢れています。そんな華やかな流行の最先端にいるという気持ち
がパリっ子の、ひいてはフランス人の自負心の高さにつながり、個人主義中心という国を作り上げているらしいです。
つい最近だとアメリカのイラク介入の時に、他の欧州国家とは違い、フランスだけが真っ向からアメリカの意見に反対した。そういう
個人としての強さも持っている国でもあるのです。
続いて、パリの基本データを紹介します。
次にパリの情報について。フランスと言えば、華やかなパリをイメージする人が大半でしょう。むしろ、パリ以外のフランスは想像が
つかない、という人も多いはず。それはフランス人にとっても同じで、フランスの中心はやはり首都のパリ。しかもこの街の凄いところは
全てが集まっていることなのです。
政治、経済、文化、歴史、宗教、学問、ファッション。ありとあらゆるものがこの街には詰まっています。例えて言うなら、日本なら東
京と京都と大阪が一つになったような街で、アメリカならニューヨークとワシントンとボストンが一つになったような街です。
人口は約212万人ですが、これはあくまでもパリ市の人口。東京で言うなら23区の人口のことを指し、周辺のパリ首都圏とでも言え
る地域を併せると、約850万人程度になります。
さて、パリの面白い所は、区の分け方に見受けられます。パリには全部で20の区があって、それぞれ数字で呼ばれています。これが
東京の23区のようにバラバラになっているのではなく、街の中心部から郊外に向かって、渦巻状に1〜20の区が整然と並んでいます。
例えて言うならカタツムリのようになっているわけです。
ちなみに、パリには「パリ駅」という駅は存在しません。これは19世紀前半に鉄道が発明された時、汽車などという新奇なものは城壁
の外にしか越させないという政策があり、その名残だそうです。列車の見えない光景がパリの特質にもなっています。実際、地下鉄の高架
が数箇所で見られる以外は、線路自体あまり見られません。
それ故、パリの駅は、リヨン駅、北駅、東駅、ベルシー駅、モンパルナス駅、サン・ラザール駅、オーステルリッツ駅と分けられ、それ
ぞれフランスの各地域へ伸びる線路ごとに駅を設定しているのです。
空港は2つあり、有名なシャルル・ド・ゴール空港の他に、オルリー空港という空港があり、現在も拡張を続けているシャルル・ド・
ゴール空港と、それ以前の国際空港としての役割を持っていたオルリー空港に別れています。国内線はオルリー空港から発着するのが多い
らしいのですが、国際便も一部扱っているみたいです。
次に、パリの土地を簡単に紹介します。
●シャンゼリゼ通り: あまりにも有名な通りですね。凱旋門からチュイルリー宮殿まで続いているパリのメインストリートで、とにかく
幅がでかい。私も初めて行った時、その広さに驚かされました。車道はもちろん、歩道にも余裕がたっぷりあります。
●シテ島: パリは昔、ルテティアと呼ばれていて、その頃はパリシィ人という人種が住んでいて、彼らの名がパリの名の起源と言われて
いますが、そのパリシィ人が住んでいたというのがこのシテ島。つまり、パリで最も古い地域で、有名なノートル・ダム寺院がある所です
。周囲をセーヌ川に囲まれた中州になっています。
●オペラ座界隈: 一般にオペラ座として知られていますが、正式には「オペラ・ガルニエ」。デパートや高級ブティック、銀行などが
建ち並び、また日本料理店や日本の生活雑貨店が並ぶ一種の日本人街としても知られています。
●マレ: 貴族の館が集中して残っている地域で、現在は裕福なユダヤ系住民が多く住んでいます。そして、実はホモセクシャルが集まる
地域でもあるそうです(笑)。
●バスティーユ: 世界史で誰もが習ったフランス革命の発端、バスティーユ監獄があった所です。現在では若者が集まる歓楽街になって
います。国立新オペラ座(オペラ・バスティーユ)があります。
●オベルカンプ: 同じく歓楽街ですが、比較的新しい地域です。テクノ音楽やゲーム、そして日本のアニメなどパリにとって新しい文化
の発信地で、日本のアニメショップもあるそうです。
●ピガール、ブランシュ: モンマルトルの麓に位置し、高級キャバレー「ムーラン・ルージュ」があることで知られていますが、他は
いかがわしいセックスショップやキャバレーが多く、性的歓楽街になっているみたいです。
●モンマルトル: 非情に有名な地域で、パリを見下ろす高台に位置しています。古くは画家が多く集まった地域で、現在でもテルトル
広場の周辺には貧しい画家が多く住んでいます。サクレ・クール寺院などがあります。
●ベルシー: 昔は倉庫街だったのですが、今では再開発が進み、大蔵省やベルシー公園、ワイン倉庫街を改造したレストラン街など、
新しい観光スポットになっているそうです。
●ベルヴィル: アラブ系、アフリカ系、ユダヤ系、中国系などの移民の労働者が暮らす地域。安くて異国的なレストランが集中していま
す。
●モンパルナス: 古くは20世紀初頭、芸術家が多く集まった地域。一時期、アメリカの作家、ヘミングウェイが暮らしていたことも
あった地域です。現在はモンパルナスタワーという高い塔がそびえています。
●サン・ジェルマン・デ・プレ: 歴史的地区で、美術学校に近いことからギャラリーが多いです。哲学者サルトルが集まった場所として
有名な2軒のカフェがあります。
●カルチェ・ラタン: いわゆる学生街。古くから大学が集中していて、「ラテン語を話す学生が集まる地域」という意味で、カルチェ・
ラタンと呼ばれるようになったとか。
●エッフェル塔、シャン・ド・マルス公園: パリを代表する観光名所で、セーヌ川の観光船のうち、2つが発着する場所で、観光客が
集中しています。
大体、こんな感じですが、他に郊外に行くと、新凱旋門があり、東京の新宿のように高層ビルがそびえ、オフィスが進出してきている
ラ・デファンス、ロンシャン競馬場があることで知られるブーローニュの森などがあります。
さて、これでフランスやパリについて、大体のことを紹介しました。細かいところはおいおい紹介していきます。日本とフランスは全然
似てないとか、共通点がないとか思われるかもしれません。
しかし、実は意外に共通点が多いのです。
最後にそのことをちょっとだけ紹介しましょう。
それに日本の浮世絵が、フランスの多くの画家(有名なのがゴッホ)に影響を与えたことは有名な話ですね。
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