■天才の栄光と挫折―数学者列伝新潮選書
9人の古今東西の数学の天才列伝。
日本人として関孝和が入っている。
まず、数学を愛して止まない著者の姿が好ましい。その人柄が自ずと分かる文章である。
そして、もちろん、9人の「天才」数学者の苦悩と感動のドラマも興味深い。
数学者として天才で有ったからと言って、もちろん人生の成功者とは言えない。
それでも、数学が持つ魔力に魅了された9人は、僕たち人類の本質である“好奇心”と“探究心”のいちサンプルとして、あまねく紹介されている良書である。
圧巻は『フェルマーの最終定理』を証明したワイルズの章だ。
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■心は孤独な数学者
本社は同じ著者の「天才の栄光と挫折」のエッセンス版である。
このポケットに収まる本の中に、現代の科学の基礎が全て収まっていると言うのは言いすぎだろうか?
ニュートン、ハミルトン、ラマヌジャンなど等の超天才たちの生々しいエピソードが語られている。
当時は芸術に近い扱いを受けていた彼ら、彼女らの功績は200年を経て、僕たちの日常に役立っている。
そして、さらに数百年しないと役立たないかもしれに業績も有る。
しかし、それは俗な考えであり、ここに登場する天才たちにとっては、宇宙の真理を解きほぐすだけで全てなのだ。
だからこそ本書のタイトルのとおり「心は孤独」になるのかもしれない。
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■世にも美しい数学入門
この本をもっと早く読んでいたら、僕の人生が変わったなどという大袈裟なことは言わないが、それでも、数学(広くとって科学)に対する考え方が変わり、イチオー科学者の末席を汚している僕も、少し違った道を歩いていたかもしれない。
小川洋子さんという感性の鋭い小説家と藤原 正彦さんという芸術文化に対する造詣が深い数学者という絶妙な組み合わせならではの対話集が本書だ。
小川洋子さんの「博士の愛した数式」を先に読んでから、本書を読むことを強くお奨めする。
いずれにしても、「美しい数学はそれだけで正しい」という美的感性が数学者には最も必要であり、そして、それがこの世界(宇宙全体ね)を形作っているのか、と、感銘を受ける。
床屋で順番を待っている間に読んだけれど、それだけ、読みやすく、かといって内容が浅くない、という類稀なる良書だ。
(数学アレルギーの方には、特にお奨め!)
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■放浪の天才数学者エルデシュ
上記の「博士の愛した数式」に出てくる主人公の博士のモデルと思われる。
この宇宙一奇抜な数学者はこよなく数学を愛し、子どもを愛した。
神様が作りたもうた、人間の数学に対する救世主と言えるかもしれない。
本当に、数学以外の生活は滅茶苦茶だったのだ。
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■「二重らせん」
20世紀の生命科学を飛躍的に発展させ、現代の医学を作り上げた二人、ワトソンとクリックが遺伝子の構成要素であるDNAの構造を解明するまでを、若きヤッピーのクリックが書き上げた本。
こんなに赤裸々に書いてもいいの? というくらい面白い。
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■2000年間で最大の発明は何か
世界中の科学者、哲学者、数学者、博学者、、、ありとあらゆる分野の人に質問して帰ってきた答えを集めた本。
この本の中に収載されている物の中で、僕が一番好きなのは「消しゴム」です。
何故、消しゴムがそれほどまでに「偉大な」発明なのか?
それは、本書を読んでもらうしかない。
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