「空を飛べば楽だったのではないか?」 少々酷な科白をさらりと言うが、 リロルはとりあえず気にしない事にした。 リロルの腕では、まだ空は飛べない 「・・あの後大変だったんです。色々と。」 いささかげっそりした表情だ。 「散々 お袋さんは泣いてるぞ的な事を 四時間くらい延々聞かされ 段々部屋をぬいぐるみで埋められ 何故か蛍の墓、ふるさと オジャパメンフルコーラスに始まり しまいには子守歌まで歌ってもらったとか そんなところだろう」 「○才教育デモと 長官さんの好きなラヴソングもありました ・・見てたんですか?」 「勘だ。 ・・で、いい加減落ち着いてきたので、 部屋を破壊して脱獄したと」 どういう勘だ、とつっこむ者はここにはいない。 とにかく、こういう人なのだ。この人は。 「”脱獄”はやめて下さい、”脱獄”は・・ 何だか本当に犯罪者みたいで そこはかとなく切ないです・・」 ・・るー、と涙が出た。 ごめんなさいお母さん。 冤罪なんです。 許してください・・はぅ 「で、どうだったかね?」 その問いにほっとため息をついて、答えた。 本当に見捨てられたのだったら やりきれない。 「えっと、 例の”魔導師にしか開けられない鍵”ですが、 内側からしか開けられない仕組みになっていて、 外側から開けると電流が流れるように 雷撃の呪がかけられていたみたいです。 ちなみにここ1ヶ月以内で あの魔導師さん――ジェムスティさん を訪ねた人物は 私たちとあの長官さんだけらしいです 部屋の中には本当に誰もいなかったそうですし、 長官さんには動機がありません・・ 他にもこれといって動機がありそうな人物も いないそうで――・・・ やっぱり通りすがりといいますか 宝目当ての犯行ではないかと・・。」 1つでは満足せず、 根こそぎ奪おうという輩は実は結構いたりする。 師匠は近くにあった切り株に腰掛けながら 「なるほど。」 と呟いて、続けた。
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