事件はそう・・会議室で起こった。 訂正。地下室で起こった。 町で買い物をすませ、 また旅出とうとした矢先のこと 「あの日は大変退屈していたからなあ・・」 「・・止めておけば良かったですね」 しょぼんと落ち込むリロル。 まあとにかく。 突如足下でかちり、という音がした。 「何でしょう?」 というが早いか身体が宙を舞った。 「ひゃあああっ!?」 でん! 振り返ると地面が四角く切りとられていた。 いや、バネ仕掛けの箱のフタが 開いた様になっていた。 「ほう。地下室か・・」 地面の下は石でできた階段が続いていた。 「どことなく”秘密基地”という風体ですが・・ って何してるんです?」 かんかんかん・・ 「ある噂を思い出したのだよ。 この辺りにとても変わり者の魔導師が居て 出会った者全てに レアなお宝をめぐんでくれるらしい 季節ごとに住処を代えて隠れているらしいが 見つけた者はまだ二人しかいないとか」 「・・・では、ここが?」 「可能性はあるのではないかね?」 かんかん・・ 階段は少し降りたくらいの所で終わり、 そこにはいかにもという風なドアが一つ。 「開けますか?」 「いや、待て。チャイムがある様だ」 よく見るとドアの横に不自然なヒモ(呼び鈴?) がぶら下がっている。 ちりり〜ん どことなく墓場を連想しながら待つことしばし。 「・・不在の様だ」 がちゃり 不用心にも鍵は開いていた。 「みぎゃ▽×☆□ああlをjあsあ〜〜っ!!」 それと同時に奇声が聞こえて・・ 「・・先生?」 「む。人が倒れている」 淡々と告げる。 その時、奥から物音がした。 「魔導師殿!?」 大柄な商人風の男で、 油汗をだらだらと流していた。 「いかにも私は魔導師だが?」 「一応、その弟子です」 「違うわっ!ジェムスティ殿のことだーー! ああっこんなに黒こげになって! まだ宝ももらっていないのに!!」 どうやらこの男も リロル達と同じ目的だったらしい。 ここは件の魔導師の隠れ家で間違いなさそうだ。 「まいったな。宝はもうもらえない様だぞ」 「・・それどころじゃありませんよ」 「この・・この人殺しがああぁぁっ!! わしはこれでも役所の長官じゃぞっ! 逮捕してくれる!!」 男は興奮状態で、今にも飛びかかってきそうだ 「どどどどうしましょう?先生・・っ」 「待て。何故私達が犯人なのだ。」 「その鍵は魔導師以外開けることはできんと 本人が言うておった! 中にはわししかおらん! わしはやっとらん! 中でお宝をうきうきどきどきしながら待っとった! したがってお前たちが犯人じゃあああー!!!」 男はそう叫ぶが早いか飛びかかってきた。 ごうっ! その気合い、はたまた体格のせいか 風を切る音まですさまじい。 リロルは正直腰を抜かすかと思った。 危うい所でそれをかわし、階段をかけ上る。 「わわわわわ!!!」 だだだだだ! 狭い階段で、 しかもすぐ横を花瓶やら杖やらが飛んで来る。 更にその後ろには――― 悪鬼と呼ぶのさえ生易しい様な形相の顔が。 喉が痛いのも心臓がばくばく言うのも 気にせず、一心不乱に地上を目指した。 こんな嫌な汗をかくのは、とても心臓に悪い。 ―――そういえば先生はいったい? ばん!と入り口(出口)のフタを開けると そこに師匠の姿があった。 いつの間にか抜け出していたらしい。 ついでに、何か呪文を呟いている。 「先生?」 「気をつけるのだぞ」 「え?」 「”渦巻け旋風”」 ひゅ、と音がすると同時に師匠の姿が消えた。 今頃遙か上空のかなただ。 「先生〜〜〜〜っ!?」 お、置いていかれた。 そう思うと思わず力が抜けた。 がし。 その足をつかむ者がいた。 「ふはははは!!大人しくお縄につくのだな!」 ―――現在に戻る。
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