ぜー、はーとしばらく深く深く深呼吸し、 息を整えてからリロルはその青年を見た。 「一応、助けに来て下さったんですか・・?」 先ほどと違い、今度は普通の口調だ。 元々、めったに大声を上げたりしない性質なのだ。 なので怒っても 2,3度怒鳴ればそれですっきりする。 ちなみに追っ手の方は振り返りもしない。 リロルはこの青年の――― いや、一見青年と呼ぶべきだろう。 実年齢ははるかに上らしい。 ――腕は認めていた。 寄せ集めの烏合の衆など敵ではない。 今頃その辺りに仲良く転がっている所だろう。 そして事実それは正しかった。 なんといっても、この青年こそ リロルの魔導の師匠なのだから。 「いや。真犯人を捜すためこの辺りを ぶらぶらしている所に 私の足元をちょろちょろしていたのでな」 「・・・・」 どうやら空を飛んでいたらしい。 「しかしリロル。 いつも言うが咄嗟の時に呪文を唱えられない様では いつか野垂れ死ぬと思うのだが」 「すみません・・ それは何度も直そうと思ってはいるのですが」 「動物がらみの時しか使えないのではな・・。 いっそリークを囮にしようか」 「駄目です!」 日頃可愛いがって世話をしている使い魔の危機に リロルはムキになって・・というより 真剣に怒りだす。 実はリロルのものではなく、 師匠の使い魔だったりするのだが・・・。 「ああ、申し訳ない。 君は生き物のこととなると冗談が通じないのだった」 いつもながらにとぼけた口調で師匠が言った。 事件の発端は一日前にさかのぼる。
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