Moto Works 3

ここでは、佐野元春のライブビデオ、ビデオクリップ集についてのレビューを公開します。

Cafe Bohemia Live! 1986-1987【1988(昭和63)年11月2日ビデオリリース、2000(平成12)年11月22日DVDリリース、ESBB2031、エピックレコード・エムズファクトリー】
収録曲
1:アンジェリーナ-Angerina- 2:ワイルドハーツ【冒険者たち】-Wild Hearts- 3:君を探している-Looking For You- 4:ストレンジ・デイズ(奇妙な日々)-Strange Days- 5:インディビジュアリスト-Individualists- 6:コンプリケーション・シェイクダウン-Complication Shakedown- 7:ニューエイジ-New Age- 8:99ブルース-99Blues- 9:ガラスのジェネレーション-Crystal Generation- 10:クリスマスタイム・イン・ブルー(聖なる夜に口笛吹いて)-Christmas Time In Blue-
1986(昭和61)年10月から1987(昭和62)年9月にかけて行われた、佐野元春最大のライブツアー「カフェ・ボヘミア・ミーティング」の模様を収録した作品で、中心になっているのはファイナル公演の「カフェ・ボヘミア・横浜スタジアムミーティング」だ。「ストレンジ・デイズ」「インディビジュアリスト」「クリスマスタイム・イン・ブルー」は東京・渋谷公会堂での「カフェ・ボヘミア・ミーティング」からの映像になっている。この頃の元春とハートランドはまさに全盛期で、そのパワー溢れる演奏を味わえる作品だ。この作品の見所をあげるならば、オープニングの「アンジェリーナ」 で、
「ワン、ツー、スリー、Go!」という元春のカウントの後ステージ両脇の巨大風船が破裂して数多くの白風船が横浜の空へ舞い上がるシーン、「ワイルドハーツ」でのダディ柴田のサックスと元春のギターのからみ、「ストレンジ・デイズ」と「インディビジュアリスト」、バラードになった「ガラスのジェネレーション」、そして「クリスマスタイム・イン・ブルー」で阿部吉剛のステップ披露とオーディエンスにマイクを向ける元春、だろう。特に「アンジェリーナ」は、風船の演出とオリジナルより疾走感が増したアレンジで僕の中ではこの作品で最大のインパクトを放っていた。 この作品は割とオリジナルに近いアレンジで演奏されていた曲が多かったが、アレンジが激変していたのが「アンジェリーナ」「コンプリケーション・シェイクダウン」「ニューエイジ」「ガラスのジェネレーション」の4曲だった。特に「ガラスのジェネレーション」はバラードナンバーに変わっていて、歌っている元春の姿にどことなく哀愁を感じてしまった。「つまらない大人にはなりたくない」という、僕にとって一番痛いフレーズがこの作品ではなおさら痛く感じられた。その後、しばらくこの曲は歌われなくなってしまうのだ……。あと、僕が面白いと感じたのが 「インディビジュアリスト」での元春とハートランドの動き。シータカ(古田たかし)のドラムと里村美和のパーカッションの絡みもさることながら、元春の振り付けがダッシュステップ(多分元春自身が考えたんだろう)で、長田進と小野田清文も同じような動き(しかも楽器弾きながら!)をしていた。この曲の演奏が特に弾けていたように僕は思う。さらに「クリスマスタイム・イン・ブルー」では元春がオーディエンスにもマイクを向けるお茶目振りを発揮。「Let's Gonna be alright,Hey!」と元春に振られて「Let's gonna be alright!」と照れながらも応じるオーディエンスの3人がなかなかなナイスでした。「クリスマスタイム・イン・ブルー」 の映像は、この作品にしか入っていないので、これは激レアだ。

1992-1993 See Far Miles Tour partU【1993(平成5)年6月ビデオリリース、2000(平成12)年11月1日DVDリリース、ESBB2034、エピックレコード・エムズファクトリー】
収録曲
1:プロローグ〜See Far Milesのテーマ 2:ぼくは大人になった-A Big Boy Now- 3:コンプリケーション・シェイクダウン-Complication Shakedown- 4:シェイム‐君を汚したのは誰-Shame- 5:ニューエイジ-New Age- 6:ハートビート(小さなカサノバと街のナイチンゲールのバラッド)-Heartbeat- 7:彼女の隣人-Don't Cry-  8:ボヘミアン・グレイブヤード-Bohemian Graveyard- 9:ミスター・アウトサイド-Mr. Outside- 10:スウィート16-Sweet16- 11:レインボー・イン・マイ・ソウル-Rainbow In My Soul- 12:新しい航海-New Voyage-

1992(平成4)年9月から1993(平成5)年1月まで続いた「シー・ファー・マイルズ・ツアー・パートU」の最終公演、1993(平成5)年1月23,24日の横浜アリーナコンサートを中心にしたライブビデオ。うち、「彼女の隣人」と「レインボー・イン・マイ・ソウル」だけは大阪城ホールのライブが収録されている。僕の印象に残っているのは「ハートビート」「彼女の隣人」「コンプリケーション・シェイクダウン」「スウィート16」 「レインボー・イン・マイ・ソウル」「新しい航海」だ。特に「ハートビート」は、長田進のギターで始まるイントロ、ダディ柴田のサックスソロ、長田のギターソロ、元春とメロディ・セクストン、マクサンヌ・ルイスの「Can you hear my heartbeat?」という部分のコントラストが非常に印象的だった。ハートランドの演奏と女性コーラスが非常に調和のとれたハーモニーとグルーブ感を演出していたと思う。「コンプリケーション・シェイクダウン」 では、オリジナルとは違ってノリのいいポップロックというアレンジに仕上がっていたように思う。特に東京ビーバップのホーンが絶妙的だったな。「彼女の隣人」は、ライブベスト盤で聴いたそのままで、どちらかといえばオリジナルに近い感じがしていたが、僕にとってはこの曲はかなり親しみやすかった。「新しい航海」は「ノー・ダメージU」のバージョンそのままのスケールの大きい展開になっていた。このライブ、非常に暖かくも ワイルドな感じがしていたように僕は思うのだが。


They called the band‘THE HEARTLAND’【1995(平成7)年ビデオリリース、2000(平成12)年11月1日DVDリリース、ESBB2035、エピックレコード・エムズファクトリー】
収録曲
1:欲望‐Desire- 2:新しいシャツ‐New Shirts- 3:ザ・サークル‐The Circle- 4:ストレンジ・デイズ‐奇妙な日々‐Strange Days- 5:ロックンロールナイト‐Rock&Roll Night- 6:約束の橋‐The Bridge- 7:スターダスト・キッズ‐Stardust Kids- 8:悲しきレイディオ‐Radio Radio- 9:サムデイ‐Someday- 10:プロローグ〜ガラスのジェネレーション‐Prologue〜Crystal Generation- 11:See Far Milesのテーマ‐Theme of See Far Miles‐  12:アンジェリーナ-Angerina- 13:ハッピーマン‐Happy Man- 14:ワイルド・オン・ザ・ストリート-Wild On The Street- 15:カム・シャイニング-Come Shining- 16:ジュジュ-Juju- 17:ナポレオンフィッシュと泳ぐ日-Napoleon Fish Day- 18:スウィート16-Sweet16- 19:ソー・ヤング-So Young- 20:彼女はデリケート-She's So Delicate- 21:新しい航海〜エピローグ-New Voyage〜Epilogue-
ビデオリリース時は2本組みだったが、DVDでは一まとめになっている。佐野元春ウィズ・ザ・ハートランドの最後の輝きともいっていい、「ザ・サークルツアー」日本武道館公演と、1994(平成6)年9月15日のザ・ハートランド解散コンサート「ランド・ホー!」の模様を収録した作品だ。「欲望」から「サムデイ」までが「ザ・サークルツアー」で、「ガラスのジェネレーション」から「新しい航海」までは「ランド・ホー!」である。この作品の見所は、「新しいシャツ」 での吠えるメロディ・セクストン、「スターダスト・キッズ」、「悲しきレイディオ」での怒涛の演奏、「サムデイ」でのオーディエンスと元春、ハートランドの一体感、「シー・ファー・マイルズのテーマ」でいきなりエンジン全開のハートランド、「ワイルド・オン・ザ・ストリート」での横内タケ、里村美和登場、「カム・シャイニング」での横内タケと長田進の爆裂ギターバトル、「彼女はデリケート」での伊藤銀次登場、そして余韻を残したエンディング……、と、数え上げるとキリがない。 特に「新しいシャツ」でのメロディの絶叫が凄かった!
「カモーン!」と絶叫してオーディエンスをあおりまくっていた! それでハートランド、元春もさらにヒートアップしているんだから凄いね。「スターダスト・キッズ」は、もう文句なし!オリジナルどおりだけど、疾走感が増していた。「悲しきレイディオ」は阿部吉剛のピアノで始まるイントロがもう最高だった! そしてインストパートでは 全員キレまくりの演奏! オリジナルより、僕はこっちのバージョンが好きなので最高だった。「カム・シャイニング」での横内と長田のギターソロ共演も凄まじかった。横内がジミヘンマナーの重厚なギターソロを見せた後、「ギター、長田進!」という元春の紹介に続いて長田がこれまた強烈な爆音をとどろかしていた。この曲のエンディングでは横内、長田が並んでギターを展開しているのが凄く印象的だった。全体的に見ると、ハートランドの最高到達点がこの2つのライブだったんじゃないか、という感じがする。 この作品、本当に良かった。ぜひ、一度見てみることをお勧めしたいです。ちなみにこの作品は、僕が初めて買ったDVDである。

The 20th Anniversary Tour【2000‐平成12‐年7月19日リリース、ESBB2018、エピックレコード・エムズファクトリー】
収録曲
1:プロローグ:Now and Then 2:ガラスのジェネレーション‐Crystal Generation- 3:ハッピーマン‐Happy Man- 4:ワイルドハーツ(冒険者たち)-Wild Hearts- 5:レインガール-Rain Girl- 6:マンハッタンブリッジにたたずんで-Standing on the Manhattan Bridge- 7:ヤングブラッズ-Young Bloods- 8:彼女-She- 9:ニューエイジ-New Age- 10:コンプリケーション・シェイクダウン-Complication Shakedown- 11:GO4 12:インディビジュアリスト-Individualists- 13:約束の橋-The Bridge- 14:ロックンロールナイト-Rock&Roll Night- 15:イノセント-Innocent- Appendix:驚くに値しない-No Surprised At All-
元春のデビュー20周年を記念して行われた「The 20th Anniversary Tour」最終公演、東京・日本武道館でのライブを収録した作品。オープニングからもうわくわくしながら見た。いきなり武道館の照明が落ちてスクリーンに元春の20年間の写真、そしてライブやクリップの映像が流され、最後は「The 20th Anniversary Edition」のジャケットに使われたルイードでのライブの写真が映し出される。そして英語のアナウンスで「Motoharu Sano and The Hobo King Band!」とコールされた瞬間演奏がスタート! 元春のカウントでスクリーンが落ち、元春とホーボーキング・バンドが登場した瞬間、僕はマジで興奮した。構成的には、前半がどちらかといえば シックな感じで、後半が爆走ナンバーというような感じだった。見所をあげるならばオープニング、「ガラスのジェネレーション」でのコロちゃん(佐橋佳幸)のギターソロ、バラードになった「レイン・ガール」、「ヤングブラッズ」でのブラックボトム・ブラスバンド(BBBB)の勇壮なホーン、ハードロックナンバーになった「コンプリケーション・シェイクダウン」、さらに「GO4」、HKBバージョンの「インディビジュアリスト」だろうか。「マンハッタンブリッジにたたずんで」は、「プラグ&プレイ」で初めて聴いたのだが、オリジナルを全く知らないままフル・バンドバージョンもこの作品で見てしまったのだ。「ヤングブラッズ」は後半のほうでBBBBのMonkeyが息絶え絶えになりながら サックスソロを披露し、
「コンプリケーション・シェイクダウン」ではKyonとコロちゃんの爆裂ギター、さらにトミー(井上富雄)のベースソロで燃えました。「コンプリケーション・シェイクダウン」から「インディビジュアリスト」までは元春の動きも激しく、完全な爆裂ナンバー3連発という感じで本当に見ていて燃えまくった。ただ、「GO4」の「Stand Up!」というメロディ・セクストンの声がエフェクトでしか使われていないのが残念。メロディも参加すればよかったのに……。「インディビジュアリスト」はHKBバージョンで披露されたが、このライブではBBBBのホーンが思い切り入っており、また元春がパーカッションを叩いていたのが 非常に印象に残っている。「驚くに値しない」は1999(平成11)年の「ストーンズ・アンド・エッグスツアー」からの映像だが、元春が珍しくギターソロを展開していたのがちょっとびっくりだった。僕はこのDVD、メチャクチャ燃えた。お勧めの一品である。ぜひ、見てみて欲しい。

Plug&Play'02【2003‐平成15‐年2月19日リリース、ESBL2100、エピックレコード・エムズファクトリー】
収録曲
1:プリーズ・ドント・テル・ミー・ア・ライ-Please Don't Tell Me A Lie- 2:イッツ・オーライト-It's Alright- 3:ガラスのジェネレーション-Crystal Generation- 4:ニューエイジ-New Age- 5:誰も気にしちゃいない-Nobody Cares- 6:マンハッタンブリッジにたたずんで-Standing On The Manhattan Bridge- 7:トゥナイト-Tonight- 8:ロックンロールナイト-Rock&Roll Night- 9:シーズン・イン・ザ・サン-夏草の誘い-Season In The Sun- 10:楽しい時-Fun Time- ボーナストラック:スターダスト・キッズ-Stardust Kids-
2002(平成14)年にファンクラブ限定で行われたライブツアー、「プラグ&プレイ」の模様を収録したライブDVD。普段のホールクラスのライブとは打って変わって、ライブハウス中心で行われたので非常にアットホーム的な感じが伝わってくる。まず僕がこの作品を見てびっくりしたのは、
元春がほとんど椅子に座って歌っていたことだ。で、使っていたギターもアコースティックギター。何となくアンプラグドっぽい感じがしたが、ライブが始まってみると実に演奏はホットだった。オープニングの「プリーズ・ドント・テル・ミー・ア・ライ」はオリジナルとは打って変わってカントリーミュージック調に変わっており、「ニューエイジ」もアレンジが変わってヘビーな感じになっていた。で、この作品の目玉は 「トゥナイト」だろう。この曲、なんと「ビジターズ・ツアー」以来の演奏で、元春が歌い始めた時にびっくりするファンの姿が映し出されていた。オリジナルがリズミカルなポップロックなのに対して、このバージョンはかなり重い感じがした。そういえば、僕がゼップサッポロで見た「トゥナイト」もこんな感じだったな。そのほか、僕が個人的に気に入っているのが「シーズン・イン・ザ・サン‐夏草の誘い」。この曲、「インディビジュアリスト」と同様に若干歌詞が変わっていた。「楽しい時」では、元春がスタンディングで激しい動きを見せていた。僕が見た感じ、何となくフォークロック調のアレンジで演奏されていたように思う。そして、リラックスした雰囲気で演奏を楽しんでいる元春とホーボーキング・バンドの表情が印象的だった。

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