Legend Of Moto

佐野元春 デビューから現在までの活躍
 佐野元春。現在の日本ロックシーンでも、もはや大御所といっていい存在である。彼がデビューしたのは1980(昭和55)年で、今年で22年経ったことになる。当時、日本語でロックサウンドを表現するのは難しいといわれていたが、元春は 果敢にそれに挑戦し、また詩にテーマ性を持たせることと迫力のあるライブ・パフォーマンスで着実に人気を広めていった。この間に山下久美子、沢田研二らに楽曲を提供したり、ラジオのパーソナリティーも務めるなど、自らの活動領域を広めていっている。 また、ライブ活動においても自らのバックアップバンド・ザ・ハートランドと共に月に1度の新宿ルイードでのライブや全国コンサートで精力的に活動。1982(昭和57)年の3作目、「サムデイ」で初めてオリコン・アルバムチャートで4位にランクインしている。
 1983(昭和58)年にはベストアルバム「ノー・ダメージ」が発売され、元春の人気は一気に頂点に達した。この頃、日本のヒットチャートをにぎわせていたのは主にアイドル歌手だったから、気鋭のロック歌手の出現に日本の音楽シーンは衝撃を食らったように思われる。 元春はこの年、「ロックンロールナイト・ツアー」を終了させてニューヨークへ旅立っている。そのニューヨーク生活の中からラップ、ヒップホップといった当時日本で注目されていなかったジャンルを吸収し、翌1984(昭和59)年、アルバム「ヴィジターズ」をひっさげて帰国。 発表当時、日本の音楽シーンに大ショックを与えた問題作で、ほとんどの収録曲がラップ、ヒップホップという構成はファンの度肝を抜いたらしい。しかし、このアルバムはチャートで1位を獲得し、新たなファン層を拡大している。そして1986(昭和61)年にザ・ハートランドを 完全にフィーチャーした「カフェ・ボヘミア」で一気に全盛期を迎えた。このアルバムが出た頃からスタートしたライブツアー、「カフェ・ボヘミア・ミーティング」は足掛け1年にわたる巨大ツアーで、ファイナル公演は1987(昭和62)年9月14,15日に横浜スタジアムで行われ、この模様が翌年 ライブアルバム「ハートランド」としてリリースされ、オリコンチャートでライブアルバムとしては異例とも言っていい1位を獲得してしまった。
 1989(昭和64・平成元)年にはイギリス・ロンドンでレコーディングしたアルバム「ナポレオンフィッシュと泳ぐ日」をリリース。この頃から元春の歌詞の感じが少しずつ内省的な要素を含むようになっていっている。この傾向は1990(平成2)年の「タイムアウト!」で一層深化し、活動も若干停滞傾向を 示していっている。1992(平成4)年からのコンサートツアー、「シー・ファー・マイルズ・ツアー」とシングル「約束の橋」の大ヒット、アルバム「スウィート16」発表からまた活動が活発化し、この辺が第2の全盛期といってもいい。特に「約束の橋」はドラマとのタイアップもあって最大のヒットを記録し、ここでも新しい ファンが増えている。1993(平成5)年のアルバム「ザ・サークル」、そして「ザ・サークルツアー」を経て、1994(平成6)年9月15日の横浜スタジアムコンサート「ランド・ホー!」でザ・ハートランドは解散し、ここで元春伝説は第1章を終えることになる。
 第2章のスタートは1996(平成8)年からで、アルバム「フルーツ」のレコーディングに参加したミュージシャンの中から新しいバックバンド、インターナショナル・ホーボー・キング・バンドを結成。この年は「フルーツ」の発表を挟んで「インターナショナル・ホーボーキング・ツアー」、 「フルーツ・ツアー」と2本の巨大ツアーを敢行している。だが、1997(平成9)年発表の「ザ・バーン」以降、アルバムの売り上げは停滞気味で、もう元春の時代は終わってしまったのだろうか? と思うようなことがある。事実、1999(平成11)年に「ストーンズ・アンド・エッグス」をリリースして以降、オリジナルアルバムが 発表されていないのだ。しかし、2002(平成14)年10月にファンクラブ限定のコンサートを開催し、2003(平成15)年にアルバムを発表することをファンに約束したそうだ。そして2003(平成15)年、ついに元春が始動した。5月30日から「ザ・ミルクジャムツアー」がスタートし、新曲と「ビジターズ」のナンバーを中心に全国のファンを沸かせた。そして12月17日にはシングル「君の魂 大事な魂」をリリース。 さらに2004(平成16)年、5月にはシングル「月夜を往け」のリリースが決定し、アルバムも7月21日にリリースされることが決定した。また、4月からはドラマバラエティー「アフリカのツメ」にもレギュラー出演している。このほかにも、2001(平成13)年、2003(平成15)年にスポークンワーズ形式のライブ「In Motion」を鎌倉芸術館で行うなど、新しい音楽表現の可能性を探求する活動を行っている。 また、シングル「月夜を往け」の発売を最後にエピックレコード(旧・エピックソニーレコード)から独立し、新しいレーベル「デイジーミュージック」を設立。このデイジーミュージックはユニバーサルミュージック傘下のレーベルで、今後元春の作品はこのレーベルから出ることになった。そして2004(平成16)年7月21日、4年9ヶ月ぶりのニューアルバム「THE SUN」がリリースされ、HMV、タワーレコードのチャートで1位を獲得した。秋から冬にかけて ライブツアーも全国30ヶ所以上で行われるとのことで、これからますます元春から目が離せない。


管理人・松波から見た元春の音楽
 僕がこの佐野元春というアーティストを知ったのは、確か小学5年生の時だったような気がする。NHKで、よく「ヤングブラッズ」がかかっていたし、ラジオでもガンガンかかっていたからだ。当時の僕はロックよりもアイドルに興味があったが、今でも印象に残っている当時のロックといえば元春の「ヤングブラッズ」 だったような気がする。本格的に聞き始めたのは大学に入ってからで、シングル「彼女の隣人」を買ったのがきっかけだった。それからベスト盤「ノー・ダメージU」、アルバム「ザ・サークル」を購入し、一気にはまった。その後しばらくあまり聞いていなかったのだが、ここ最近(2002年の夏あたりから)どういうわけか僕のマイ・ブームになってしまっている。 元春の曲はロックだったり、またジャズやヒップホップ、さらにはレゲエなど様々な要素がちりばめられていて、決して1つのものに満足することなく挑戦を続けるという意気込みを感じることが出来る。「ヴィジターズ」ではヒップホップを取り入れ、現在のドラゴンアッシュ、スケボーキングらの先駆者といってもいい。
 歌詞は尾崎豊や長渕剛のように、決してストレートではないように思う。初期の頃は「ガラスのジェネレーション」のように、ストレートな歌もあったのだが。その詩に込められた意味を、僕たち自身が考えなくてはならないのだ。そういう面があるせいか、僕は元春が現代日本の吟遊詩人に思えるのだ。その感じが強いのが「99ブルース」や「ロックンロールナイト」、 「サムデイ」あたりだろう。僕が思う元春の詩の世界は、「限りなく幸せ、平穏、安寧を求めるための戦い」という感じを醸し出していて、歌がひとつの物語になっていたりする。もし元春を知らない人がいたら、ぜひ聞いてみて欲しい。


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