Part6 9月10日・帰りなん、いざ札幌へPart2(青森‐札幌)

 9月10日。この日、目が覚めたのはあろう事か7時40分だった。当初、オレは青森駅7時半発の函館行き特急「白鳥41号」に乗る予定でいたのだが、寝坊してしまったせいで完全に予定が狂ってしまった。仕方ないので、時刻表をチェックすると8時57分発の函館行き特急4045M 「白鳥45号」がある。 これに乗ることにし、大急ぎで身支度をしてホテルをチェックアウト。青森駅の駅弁売店で朝食の駅弁を購入し、自由席特急券を購入して改札機に通し、発車ホームの6番線へ向かった。オレが乗った「白鳥45号」はJR東日本の受け持ちで、古参である485系という電車の改造車両が使われている。8時57分、メロディーが なって発車。いよいよ本州ともお別れである。青森駅を出てすぐに大カーブし、津軽線に入った。「白鳥」は単線の津軽線を快調に飛ばしていく。
 発車して間もなく、オレは朝食の弁当を開き、蟹田に到着するまでに平らげてしまった。蟹田、中小国までは田園風景が続いたが、中小国を過ぎて海峡線に入ると高架になり、そして青函トンネルに入るまでトンネルが続く。この間、車内放送では青函トンネルについての案内が流れていた。そして青函トンネルに入ったのだが、 この間眠りこけることはなくずっと車窓の闇を見続けていた。そしてトンネルを抜けると、そこは北海道。知内駅を通過し、木古内に到着。ここからは江差線である。単線だが快調に飛ばし、10時49分、函館駅に到着。オレは大急ぎで函館駅を撮影し、大沼公園までの乗車券と特急券を購入し、接続する特急5007D「スーパー北斗7号」 を使うことにした。既に森行き普通列車は行った後なので、こうでもしないと当初の予定通りに進められないのだ。自由席の車両に飛び乗った頃、発車メロディーが鳴った。やがて「スーパー北斗」はゆっくりと函館のホームを離れ、札幌へと歩みだした。とはいえ、オレは大沼公園でこの列車を降りてしまうわけなのだが(笑)。

 函館を出ると「スーパー北斗」は五稜郭に停車し、その後エンジン全開で函館本線を進む。大沼公園まではわずか20分で着いてしまった。ここで下車したオレは、まずは駅を撮影。駅前広場はよく整備されてはいたのだが、車で来る人が多いせいか駅前が閑散としていたのは寂しかった。駅を撮ってしまうと、11時37分発の森行き普通列車4831D の到着まで全くすることがなくなってしまった。時間にしてだいたい10分程度だったのだが、改札開始までがちょっと退屈だった。やがて改札が始まり、ホームに出た。ホームは1本だけで、上りも下りも共用である。やがて、森行きが到着。キハ40型2両編成だった。オレは2両目に乗車したのだが、1両目がそこそこ乗っていたのに対して2両目は ガラガラだった。札幌近郊と電車列車以外の普通はワンマン運転のオンパレードなので、すぐに降りられる1両目の方に乗客が固まっているようだ。
 大沼公園を発車してからは駒ケ岳の麓を一直線に突っ切る形で森へと向かう。もともとパワーが小さいエンジンを使っている上に車体も重いので、スピードはあまり上がらない。途中赤井川、駒ケ岳、東山、姫川と停車したがほとんどの乗客が森まで乗り通していた。12時6分、森駅1番線に到着。ここで1時間18分の待機時間に入った。
 森ではちょうど昼飯の時間だったので、駅前のセイコーマートに弁当を買いだしに行った。森駅といえば駅弁・いかめしが有名である。が、海産物関係があまり好きでないオレは今回はいかめしをパスした。セイコーマートで幕の内弁当を買って昼食を確保。函館から2両編成で来ている列車のうち、先頭の1両が長万部行き普通列車893Dとなるのだ。 発車までこの時30分以上あったのだが、改札を通って乗車し、席を確保した。午後1時24分、発車。車内はがら空きである。森から長万部の間は昼間の普通列車の数が少なく、乗り過ごしたら最後3時間ほど待つ羽目になるのだ。列車はここから先、内浦湾沿いに走る。オレはというと、昼食の弁当を平らげた後ぼーっと時間を過ごしていた。途中、八雲ではまとまった乗降があったのだが それ以外はほとんど入れ替わりがないまま長万部に到着。ここで27分の待ち合わせである。オレは一旦改札を抜けてから駅を撮影。その後は駅の喫煙所でタバコを吸いながらコーヒーを飲んで過ごした。

 長万部の駅前も寂しいものがあった。長万部はカニで有名な町なのだが、やはり車で来る観光客が多いせいなのだろうか。やがて、東室蘭行き普通列車487Dの改札時間になったので改札を通り、乗り場の3番線に向かった。今度の列車は、室蘭線で活躍しているキハ150型という車両とキハ40型の2両編成だった。室蘭線の場合は、長万部からはガラガラだが 豊浦あたりから混みだすという特徴があり、そのためかほとんどの普通列車が2両で運転されているのだ。午後3時8分、発車。長万部から豊浦の間は渡島・胆振の支庁界ということもあるのか、車内はがら空きであった。この頃、雨が降り出してきていた。
 午後3時26分、キング・オブ・秘境駅、小幌到着。日曜日を利用して小幌訪問に来ていた乗客が1人乗ってきた。オレも昨年訪問したことがあるのだが、あまりの何もなさに仰天かつ感動した記憶がある。小幌の次の礼文では、特急「スーパー北斗」退避のため8分ほど停車した。オレはこの隙を利用して礼文駅の撮影を敢行。雨が降っていたので、大急ぎで撮影してすぐに車内に戻った。 豊浦から先は、伊達・室蘭の近郊列車としての性格が強くなり乗客も増えた。しかしここから先はトンネルも結構ある。おかげで車窓の内浦湾はあまり見えなかった。午後4時47分、東室蘭駅5番線に到着した。札幌まで、後130キロほどである。

 東室蘭では待ち時間が20分ほどあったので、この時間を利用して再び駅を撮影。東室蘭駅では新しい自由通路の工事がスタートしているところだった。オレが見た感じでは、東室蘭の駅はかなりぼろいように思えた。通路の荒れ方が凄いのが理由なのだが、目立っていたのは落書きだった。もっと自分たちの街の駅を大切にできんのか、とオレは思わずにいられなかった。
 さて、続いて乗車するのは苫小牧行き普通列車443Mで、今度の車両は北海道初の電車・711系という車両である。オレの友達はこの電車を「赤電」と呼んでいる。さすがにここまでくると、乗継と荷物の重さで疲れもピークに達しつつあったので、発車してからは半分うつらうつらしながら苫小牧への道程を歩んでいた。さらには時間帯のせいもあってか薄暗くなりつつあり、いよいよもって車窓がつまらなくなる というのもあったのだが。乗車約1時間で苫小牧駅4番線に到着。続いては手稲行き普通列車2827Mで、14分接続である。苫小牧の撮影はパスし、ホーム上の喫煙所で一服した後電車に乗り込んだ。午後6時22分、発車。札幌へ近づくにしたがって、車内は徐々に混み始めた。とはいえ、千歳を過ぎても割合余裕はあったのだが。そりゃそうである。快速「エアポート」の方が混み方が凄いのである。 オレは普通列車を北広島で降り、北広島からは札幌行快速3953M「エアポート187号」に乗り換えた。何故このような真似をしたかというと、大河ドラマ「功名が辻」の時間に間に合わせるためである。札幌に到着したのは午後7時25分。家に電話を入れ、7時40分発の石狩当別行普通列車631Dに乗車し、新琴似駅からタクシーで帰宅した。何とか「功名が辻」には間に合った(笑)。

 今回は初めて、本州の鉄道に乗りまくることを目的にした旅だった。いろいろ乗れてよかったと思うが、乗り損ねた路線もあるのでいつかリベンジしたいと思っている。

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