Factory breeding
Column


エネルギー資源は大切に・・・

この話は フィクションかもしれません。
本当にあったことかもしれません。
実名は 伏せさせていただきます・・・。

彼の名は M兄 子沢山のカブト飼育者です。

異常気象ともいえる 2004年の 猛暑が続いた ある日のこと
彼が 帰宅すると 部屋の様子がいつもと違うことに気付いた。

夕方で薄暗くなってきているのに 部屋の灯りがついていないのだ

家に居たのは、家族で唯一のカブクワの理解者の次女が一人だけだった。
脱走したカブクワをいつも捕まえてくれ
マットと止まり木を入れた箱に保管していてくれる 頼れる味方
そんな 次女だった。

虫嫌いな嫁さんと長女は、双子のベビーを連れて出かけているようだった。

もう一つ いつもと違うところがあった。
猛暑の中 自転車通勤の彼は、汗だくで帰宅して
家のドアを開けると共に 冷房で冷えた空気を全身で感じ
しばしの安息を感じるのだが 今日は、それが無い・・・

彼は 確信した 温度管理の為のエアコンも電源が切られていることを・・・

慌てて 飼育ケースを見ると ほとんどの幼虫が這い出してきていた。

猛然と湧きあがる怒り!(`⌒´メ)

自然と 握りこぶしを振り上げた!( `_´)9 ウラ〜

鬼の形相で振り返ると 次女が話し始めた・・・
「今日 学校でね エネルギー資源の大切さを先生が話してくれたんだ♪
だから あたしも エネルギーを節約する為に 部屋の電気を全部消して
テレビもつけないで 頑張ったんだ! 偉いでしょ♪(∂。∂)

そう言って笑った 次女の顔には 大粒の汗が滴り落ちていた。(;^-^)

握りこぶしを 下ろして 彼は思った。
よかれと思ってやったことを 一方的に 叱ることはできないと・・・
また エネルギーを大切にすることは、自然を守ることにも繋がる
それが 世界中のカブクワを守ることにも 繋がるのだと・・・

彼は、拳を握りながら 次女に 命の大切さの話をした。
カブトムシの幼虫1頭でも 大切にしなければいけない命だということを
人間と違い 猛暑には絶えられないこと
温度管理をしないと 絶命してしまうことを・・・

ときおり 這い出してきて 動かなくなった幼虫のケースを振り返りながら

振り返るたびに 行き場の無い怒りが 彼を襲う。

怒りを娘にぶつけるわけには行かないので 彼も必死だった。

いつしか 彼の握りこぶしは 爪が食い込み 血が滴り落ちていた。

いつもは 優しい父親の必死 形相に 娘の顔も 引きつっていた。


2004年 7月の猛暑の日の出来事だった。


ちなみに その日は、恐ろしくて
成虫のケースをチェックすることは出来なかったらしい。(-。-;) 

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