成虫飼育方法

ここに記載している内容ですが私の成虫の管理方法について記載しています。
適切かどうかは各人の飼育環境によって大きく変わると思いますが、参考にしていただければ幸いです。



<飼育ケース・飼育場所について>

クワガタの飼育に必要なケースですが・・・正直に言うと、どんなケースでも飼育可能です。
一般的なのは、ホームセンターなどで売られている昆虫飼育用のプラケースなどで全く問題ありません。

100均などで販売しているCDケースやタッパー・米びつなどを穴あけ加工して使っても良いと思います。
飼育している上でポイントになるのは、コバエや他の雑虫の侵入を防ぐ構造になっている事と、極端な乾燥を防ぎ
湿度を維持する事が出来るような飼育ケースがもっとも適していると思います。
クワガタも生き物ですから、当然ある程度の湿度・空気の流通が必要で、また極端な乾燥状態においてはフセツ取れ
などの悪影響もあると言われていますので注意したいところです。

市販のプラケースに防虫・保湿シートを挟んだり、新聞紙やビニールに穴を開けたものを挟んで使用したりする方法が
一般的ですがお勧めのケースは「コバエシャッター」や「スタック」といった専用飼育ケースを使うのが良いと思います。
私の場合は、主に専用飼育ケースの「スタック」を使用しています、コバエシャッターと違いフィルターが付いていませんので
外した蓋を丸洗い出来ますし、部品の点数が少ないので破損した際もどちらかは再利用できることが主な理由です。

「コバエシャッター」や「スタック」などの専用飼育ケースは夏場に蒸れることがあるのでその場合は、中のマットの湿度を
下げる事で暑さによる蒸れは防げます。
また、クワガタ全般に言えることですが、特に♂は縄張り意識が強いので、必ず♂と♀はペアリング時以外は単独飼育を
お勧めします、当然ストレスもかからないようなので、寿命も違いますよ。

ケースの容量については大きいものの方が良いとは思いますが、私の場合は飼育スペースの都合もありますので
アンタエウスなどの外産大型個体やオオクワガタでも種親クラスの♂の場合については「HR−1」や「コバエストッパー」
などの少し大きめのケースを使い、中型の♂や♀に関しては「スタックミニ」を使用しています。
その他ヒメオオクワガタなどの小型個体や♀で羽化後一時管理する場合などには「スタックS」を使用しています。
また、ペアリング時においては「スタック小」などの餌皿が入るものがちょうど良いかと思います。



 (写真:手前からスタックS、スタックミニ、スタック小)

また飼育場所ですが、風通しが良く直射日光の当たらない日陰で、1日の温度変化が少ない場所が理想です。
クワガタは夏の生き物のイメージがあり意外なようですがどの種も暑さに弱い傾向があり、夏場の直射日光なら数時間
当たっただけで死んでしまいますので注意が必要です。



<飼育マットについて>

一般的にホームセンターで売られているもので十分です。
人によってはハムスター用の針葉樹チップを使用している人や園芸用の水苔を使用している人など様々です。

広葉樹マットで粒子の細かいものは飼育している間にケース内でどんどん劣化していった場合、ダニが発生したり
コバエが発生しますので、広葉樹マットの場合は定期的な交換が一番良いのではないかと思います。
また、マットの粗い粒子のものはダニやコバエなどが発生しずらいので、は虫類用の飼育床材のチップもお勧めです。
また雑虫の発生しずらい針葉樹マットやハムスター用のパインチップなどでも良いと思います。
ダニは一度発生すると根絶させるにはかなりの苦労が必要です・・・
それとクワガタが転倒して起き上がれなくなり体力を消耗し死亡するといった事故を避けるのに木片を入れたり
落葉や樹皮を入れましょう。
「コロンボウ」のような樹脂製の転倒防止アイテムも販売していますので、これを利用するのも良いと思います。

私の所では広葉樹のマットと針葉樹のチップマットを1:1で混合し使用していますが、雑虫やダニの発生もなく長期間
マットが長持ちしますのでお勧めです。
オオクワガタの場合は隠れ家になるようなものを入れておくと、そこでジッとして落ち着いているのでストレスを与えない
ようなケース内のレイアウトが良いと思います。

またマットの加水についてですが、過度な加水もダニや雑虫の発生につながりますし、過度な乾燥も生き物である以上
好ましいとはいえませんので、適度な加湿が重要だと思います、夏は蒸れすぎず寒い時期には乾燥しないような加水の
程度を心がけましょう。
またマットの量ですが、飼育ケース内に2〜3センチ程度敷き詰める程度で問題ありません
私の場合、マットはネットショップから広葉樹マットと針葉樹のチップマットをまとめ買いしています。



  (写真:園芸用水苔,広葉樹マット2L,広葉樹マット10L)     (写真:は虫類用床材 ブナ材ウッドチップ:約10L)


<エサについて>

与えるエサですが、ほとんどの方がそうでしょうが昆虫ゼリーを与えていると思います。
バナナやヨーグルトなどを与えている方もいらっしゃいますが、手軽で衛生的な環境の生体管理を考えると昆虫ゼリーが
一番良いと思います。
昆虫ゼリーも各社から様々な製品が発売されていて、どれを使ってみるか・・・悩むところですね。

私の場合は経済性を考えて、エサ皿を使用せずに「ゼリースプリッター」で半分に切って与えています。
昆虫ゼリーの選び方としては「液だれなし」「低糖仕上げ」「顎刺し事故が起こりづらい容器の形状」「喰いが良い」
「合成保存料が入っていない」「低価格」であることが昆虫ゼリー購入の判断基準になっています。

基本的には通常飼育用とペアリング用の高タンパクゼリーを使い分けていますが、なぜか高タンパクゼリーについては
どのメーカーのものも喰いがイマイチだったりします。
それとクワガタの種類によっても個体差があるのか、メーカーによって好んで食べるものとそうでないものがあります・・・
何種類かのゼリーを4〜5日周期で取替えて、その中で喰いの良いものを探して使うのも1つの方法だと思いますので
自分の飼育にあった最適なものを探してみましょう。



   (写真:昆虫ゼリー6種類とゼリースプリッターU)


<管理温度・越冬について>

クワガタ全般に関して言えることなんですが、適温は23〜27℃前後が活動的で餌の喰いも良い温度帯です。
オオクワガタなどの比較的強い種の場合はある程度の高温には耐えてくれますが、30℃を超えると
かなり危険な状態になると思います、★にはならないですが寿命は確実に縮むと考えて良いでしょう・・・

ミヤマクワガタや外国産のアンタエウスなどの種は標高が高く比較的涼しい環境に生息しているため、日本の夏の
ような高温環境の適応性がないので注意が必要です。
これらのような種を飼育する場合は夏場に25℃以下をキープできるような冷房設備のある飼育環境が必要になると
思います。

逆に温度が低くなる時期ですが
越冬出来ない種であるノコギリクワガタやミヤマクワガタは18度以下にしないように温度管理して、寿命を全うさせて
あげましょう、常時エサが切れないように管理していれば長生きのものでは12月頃まで元気に生きてくれます。

コクワガタやオオクワガタ等の国産Dorcus属は越冬できる種なのですが、気温が14〜16℃前後を下回り始めると
活動が鈍くなり始めエサを食べなくなり、12℃以下になるとほとんどの個体が越冬体制に入ります。
ヒメオオクワガタの場合、耐寒性がかなり強いクワガタですので12℃以下でもエサを食べていることがありますが
当方の環境で実験した結果、5〜8℃ぐらいの温度が1週間以上続くと越冬モードに入るようです。

私の所では初雪が降る11月末頃には加水したマットを厚く入れた越冬用のセットで4月頃まで強制冬眠させます。
冬眠用のケースに入替後2〜8℃前後に温度管理して越冬させるようにしています。
北海道の場合、この中途半端な温度を作るのが非常に大変で苦労します。
家の中では暖房が効きすぎていて、越冬には適していないんですよね〜 真冬の時期は外気温が−10〜15℃まで
下がりますので、さすがにオオクワガタとはいえ死んでしまうのでは・・・と思います。

私の経験ではオオクワガタ・ヒメオオクワガタ・コクワガタ・スジクワガタなどの国産Dorcus属は氷点下よりも気温が
下がらない環境であれば、全ての個体は毎年越冬に成功しています。
厳寒地域に住んでいる方の場合は0℃までを目安に管理した方が無難かもしれません。



   

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