産卵セットの方法
ここでは産卵セットの方法を説明します。
いろいろなHPでも紹介していると思いますが、とりあえず私のやっている方法を紹介したいと思います。
産卵セットの方法はブリーダーによって各人様々です、自分の飼育環境や管理方法で変わると思いますので
紹介している内容は参考になるところだけ見てください。
主に国産オオクワガタに代表される材産み種の産卵セットと、ヒラタクワガタ・ノコギリガタ・ニジイロクワガタなどの
マット産みと言われている種の産卵セットについて紹介します。
<産卵木について>
産卵木の種類にはクヌギ、コナラなどがありますが国産の材産み種は場合は一般にシイタケホダ木の産卵木でも
問題なく産卵してくれます、ホームセンターやペットショップで売られているもので十分です。
産卵木を箱買いする場合は質にばらつきがありますので、私の場合はコナラの特A材かA材を購入しています。
B材でも問題無いのですが、芯の多さや堅さのばらつきが多い感じがしますので、なるべくA材以上のものを
使っています、高いクヌギ材を使う必要はないと思います。
産卵木の質についてですが、堅過ぎず柔らか過ぎずの材が適しています、どの位の堅さが良いかと言うと
乾燥している状態で爪を立てるとしっかり跡が残るくらいのものが適しています。
柔らかすぎると産卵している♀にバラバラにされたり、逆に堅すぎると♀のアゴがすり減って産卵数や寿命に
影響しますので、私は結構気を遣うところだと思っています。
産卵木を箱買いすると質は結構ばらつきますので、その中で判断するとしたら持ってみて軽いものが
柔らかめの材が多いです。
私の場合、堅い産卵木がある場合はカワラブロックを購入し自分で植菌してカワラ産卵木を作ったりします。
植菌カワラ材の作り方は別のコンテンツで紹介していますので、参考にしてみて下さい。
<産卵木の加水について>
産卵セットを組む時に国産オオクワガタのような材産み種の場合は産卵木の水分量が最も重要です。
水分量が多いと♀が産んだ卵が腐ったり、青カビが発生して卵がカビに浸食されて腐ったり・・・良くないこと
ばかりです、ここで割と簡単な産卵木の適度な加水方法を説明します。
飼育容器などのケースに産卵木を入れます。 ここではコナラA材を2本加水します。 大きめのケースを使えば一度にたくさん加水できるので 産卵セットをいくつ組むかで本数は決めましょう。 加水した材はカビやすいので、使う分だけ加水するように した方が良いです。 |
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加水中に産卵木が浮いてこないように、水を入れた ガラス瓶などの重し代わりになるものを産卵木の上に 置きます。 |
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私の場合は熱湯で産卵木を加水します。 こうすることで害虫の駆除もできるので、電子レンジを かける手間も必要ありません。 材の浸透圧であっという間に加水終了です。 熱湯を入れてから30〜40分後、材を取出します。 この時間がポイントですよ〜 熱湯で加水する場合は これ以上の時間をお湯に浸けておく必要はありません。 |
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取り出した産卵木は皮をむかずに丸1日程度 水が切れる状態にして陰干しします。 |
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セットする直前に産卵木の皮をノミなどで綺麗に 剥ぎ取ります。 この時、シイタケを植菌した穴に種駒が埋まっていますが カニスプーンなどを使って取り除きます。 オオクワガタの♀はこの種駒が嫌いらしいです。 後は材を爪で押してみて水が滲まない状態がベストな 加水量です。 もし水分が多かったらビニール袋に入れて、電子レンジで 温めてから袋を開けて水分を飛ばします。 オオクワガタに使用する場合ですが、材の水分は 思ったよりも少なめで全く問題ありません。 |
<産卵セットの作り方>
産卵木の加水が終わったら産卵セットを作ります、ここではマット産み種・材産み種、両方の産卵セット方法を紹介します。
写真で説明しているのはマット産み種用の産卵セットです、オオクワガタなどの材産み種は後半に紹介します。
まずはマット産み種に対応した産卵セットの作り方です。 マット産みの種は固く詰めたマットの境目や産卵木と マットの間、ケースの底面に産卵する場合が多いです。 微粒子のマットをケースの底にガチガチに固めた部分の ことを「産卵床」と言って 発酵マットの質が良ければ、♀はこの部分を好んで卵を 産み付けますので3〜4pの層を作ります。 ハンドプレスで加水したマットをガチガチに固めて下さい。 |
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こんな感じで固めておきます。 オオクワなどの材産み種は浅い発酵の埋込マットで 十分ですし、底を固詰めする必要はありません。 |
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そして産卵木をセットします。 この時は半割にした柔らかい材を下に入れて産卵木を 斜めにセットしました。 |
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後は発酵マットを産卵木が少し見えるくらいまで 埋め戻しします。 写真はマット産みの種のセットですが、材産みの種の 場合は産卵木を半分まで埋め戻せば十分です。 マット産みのセットの場合、発酵マットが再発酵する 心配があるので、2〜3日様子を見て熱が出ていない 事を確認してから♀を入れます。 マットが再発酵するとガスや熱で♀が★になりますので 注意が必要です。 |
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転倒防止の材などを入れてゼリーを入れ完成です。 長期間セットする場合は、多めに餌を入れておきます。 マット産みの種の場合は1ヶ月半〜2ヶ月ほどして ケースの側面や底に幼虫の姿が見えたら産卵成功です。 |
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この写真は材産み種用のセットで、オオクワガタの♀を 入れてから2週間程経ったセットを見たところです。 自作の植菌カワラ材を2本セットして埋込マットで半分 ほど埋め込んだセットですが、表面はかなり削られて 産卵した形跡がありますよねえ〜 |
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材を割ってみたところですが、赤い矢印の部分に オオクワガタの卵がありました、産卵成功ですね!! 材の場合はこのまま1ヶ月ほど保管し幼虫で割出しても 良いですし、卵の状態で割出すのも良いと思います。 私の場合は卵で割出しをして、濡らしたティッシュで 保管して管理しています。 |
<産卵木の青カビ対策について>
産卵セットを組んでしばらく経つと産卵木に青カビが出ることがあります、これはある程度は仕方ないですがあまりにも
カビの生えた材にはオオクワガタは産卵してくれません、そこで産卵木に青カビを発生させない方法を紹介します。
この方法は産卵セット前の産卵木でやると有効ですので参考にしてみて下さい。
なお、多少の青カビは♀が産卵を始めると不思議と発生しなくなるか、消滅します・・・不思議ですよね。
<方法その1>産卵木にオオクワガタの幼虫の食痕(糞)を擦り付けておく
<方法その2>加水した産卵木に発酵マットを擦り付けておく
<方法その3>加水した産卵木を発酵の進んだマットの中に埋込んでおいて、2週間ほどしたら掘り出し産卵セットに使う
<方法その4>植菌カワラ産卵木を使用する。
以上の方法が結構効果があります、<方法その1>が手っ取り早い方法ですが、幼虫を飼育していないと食痕が手に入らない
ので、始めてやってみる方は<方法その2>をお勧めします。
ポイントは幼虫の糞や発酵マットに含まれるバクテリアに産卵木の表面を支配してもらう事です、植菌カワラ材に青カビが
出ずらいのは、カワラ菌が材の表面を支配しているので青カビが繁殖できないのだと思います。
以上の方法はかなり効果がありますので、青カビの発生で悩んでいる方は是非やってみて下さい。
<材産み種の簡単な産卵セット方法について>
最近私の国産オオクワガタの産卵セット方法はちょっと内容を変えて「材1本勝負セット」と名付けた方法でやっています。
その方法は小さめのケースに大体2センチほどの埋込マットを入れて、加水した材を1本だけ入れゼリーを入れただけの
簡単なセットです。
こんな簡単なセットでも、10日前後で10〜15頭位の幼虫を得ることが出来ます、写真はセット後10日ほどの
状態ですが結構ボコボコにされています、結局この材からは再セット分を含めて20個の卵を回収しました。
このセットの利点は
・♀の産み始めが早いので、♀の気に入らない材がすぐに判断できる(1週間で囓らなければ材を即交換する)
・セット期間が短いので♀の負担が少なく幼虫の成長差が少ないので管理しやすい
・簡単にセットできて、通常の産卵セットより場所を取らない(2セットで大きいセット1つ分のスペース)
・材を年輪に沿って割り、ある程度卵を回収したら同じ材で再セット出来る(材の無駄がない)
と良いことずくめです。
一度産卵が成功した材は再セットしても必ず産みますので、私の場合は直径が半分位になるまで再セットして使います。
そうすることで余分な産卵木を使わず済みますので経済的ですよ。
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