人工蛹室作成方法

人工蛹室についてですが、何らかの原因で幼虫が蛹室を作れていない場合や蛹室の壁が崩れてたり
蛹室内環境の悪化(多湿状態)などは蛹から成虫に羽化する際に羽化不全の確率が高くなってしまいます。
こういった場合、人工的に蛹室を作成して羽化不全の確率を減らすために使用するのが人工蛹室です。

人工蛹室には市販のウレタンスポンジを使った物や木製の商品もありますが、ここでは市販品に頼らないで
100均などで販売しているオアシス(花を生けるための物)を使った人工蛹室の作り方を紹介したいと思います。
割と簡単に作れて費用も安いので是非参考にしてみて下さい。

まず、用意するものは100均で売っているオアシスとカッター・物差し・スプーンがあればOKです。
オアシスは使用するケースのサイズに合わせてカットします、そしてスプーンでオアシスを掘っていきます。
作業中はオアシスの粉で周りがバサバサになりますが、気にせず我慢しましょう(汗
この時スプーンで掘る寸法は全体的に少し小さめにしておいてください、後の調整がしやすいです。

ここで画像参照です。


 

Aの寸法は、蛹の全長の1.8〜2倍程度(想定される全長+3cm〜4cm)になるようにします。
Bの寸法は、蛹の幅の1.3〜1.5倍程度にします、幅が広すぎると蛹の回転運動がスムーズに出来なかったり
上下逆さまになったりしますので注意が必要です。

国産オオクワガタの場合ですと、蛹の大きさにもよりますが全長12cm前後、全幅3.5cm程度が適当な大きさです。
Cの寸法は浅いところで大体4cm位で、深いところで5cm位にして頭の方が高くなるように傾斜を付けます。
なおかつ頭部側には「返し」を付けておくと良いと思います。
羽化の際に頭部や顎を押付けて踏ん張るような動作をするので、「返し」がある方が羽化をスムーズに行う手助けに
なるようです。
また、側面も同様に「返し」を付けた方が、羽化時に仰向けになる際の足掛かりと蛹の尻尾の引っ掛かりになりますので
「返し」を付けた方が良いと思います。

大体の形が整ったら、今度はオアシスを水で濡らして指の腹で擦りながら滑らかに成形していきます。
指でオアシスを押付けながら擦り付けると、オアシスの粉が出なくなり滑らかな面が形成出来ると思うので、時々流水で
流しながら理想の形になるように微調整しながら整えていきます。

後は、オアシスの水が滴らない程度まで水気を切り完成です。
この時頭部の傾斜が足りないようでしたら、折った割り箸等を下部に置いて傾斜を付けるのが良いと思います。
オアシスを浮かせてセットした方が後の水分管理が容易に出来るのと、カビ発生の予防にもなるので便利だと思います。
使用するケースですが「コバエシャッター」や「スタック」なら羽化まで加水無しでも十分持ちます。
但し加水し過ぎの蒸れには注意が必要ですので、時々ケース内の結露の状態を確認するなどして管理します。

後は蛹を移すだけで作業は完了です、蛹は非常にデリケートなので扱いには細心の注意が必要です。
特に蛹化直後の場合は絶対に避けるべきです、蛹は透明な白色〜透き通った飴色〜濁った飴色〜赤みが付く
といった段階を経て羽化するのですが、蛹の扱いに慣れるまでは複眼が黒くなる状態(蛹化から2週間程度)
まで待ってから移す方が安全です、慣れてくると蛹化後3日程度でも大丈夫です。
よく前蛹から移し替える人もいますが、私は経験がありませんので何とも言えませんが管理が難しいと思います。




また、セット期間が長くなるとオアシスにカビが発生したり、逆に乾燥したりします。
乾燥しているようでしたらオアシスを加湿して水分を調節したり、カビが出た場合は流水を流しながらオアシスを擦る事で
カビはなくなりますから時々状態を確認します、また薄く希釈した木酢液をオアシスの加水に使うとカビは発生しませんので
試してみてください。

人工蛹室の管理のポイントはオアシスの水分の管理が重要です!!
乾燥しすぎは羽化時に下羽根がオアシスに付いてしまって羽化不全を起こすようですし、加水しすぎの場合は蛹が羽化時に
放出する水分を吸収しきれずに羽化不全の原因となってしまう事も起こるようです。
そして、静かな暗い場所で管理して羽化するのを見守りましょう、国産オオクワガタの場合23℃前後の管理温度の場合
オスで約4週間前後、メスで約3週間前後で羽化します。
また、羽化したての個体は頻繁に触らないようにしましょうね〜 雑菌に弱く突然死する可能性もありますので腹部が収まり
黒くなるまで3週間ほど待ちましょう、私の場合はオアシスの上にティッシュをかけ暗所で保管しています。

   ージヘ

ナスカ無料ホームページ無料オンラインストレージ