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No.2 板はぎについて

 薄板、特に饗板材などのはぎ合わせについて、初心者でも比較的楽に、きちんと

はぎ合わせできる方法について述べます。

他にも方法があると思いますが、私なりのやり方です。

室温はできれば20℃以上あったほうが、作業が楽です。

夏場に30℃以上あれば、作業はのんびり行えます。

まず、はぎ合わせする材料が、適切に加工され、矧ぎ面が十分に削り合わせされているものとします。

図に様に、馬になるような適当な大きさの角材を複数用意します。

矧ぎ面それぞれに、十分な膠水を浸透させ(筆などで)膠をなじませておきます。

吸い込みが多いときには、何度か繰り返します。

ここでいう膠水というのは、下図の膠鍋の、膠分が溶け出した、お湯の事です。

何回か使っていると、筆を洗ったりしているうちに、お湯に膠分が大分とけ込んでいます。

新規の場合には、膠そのものを筆に含ませ、お湯にさっと浸したりして、かなり緩くなった

状態のものを、矧ぎ面にす〜〜っと塗ります。

 


  次に、寸法をそろえた(馬と同じ材料)角材に、上図の様にテープを張っておきます。

マスキングテープ、クラフトテープなど、膠がくっつかないようにするための養生です。

それぞれ対になった「馬」と「押さえ」をゴムバンドなどでくくります。

この作業は、閉め金具で締めたときの反り止めです。

旗金を当てる位置に、図のように木片を置いておきます。

旗金が饗板材と矧ぎ面の膠に触れないようにするためです。

次に、旗金の長さを、予め程よい長さにしておきます。

膠を本付けする前の大事な作業です。

旗金の旗の部分に、饗板が痛まないように、当て木を当てるのも大事な事です。

 

さて、いよいよ本付けです。

長さの決まった旗金を一旦取り除きます。

矧ぎ合わせする板同士を2mm間隔を開けます。

膠を鍋に掛けていて、最適の状態になっているものとします。

筆に膠を十分につけ、2mmの間隔のところにす〜〜と引いていきます。

上の押さえ板のところにも、十分に膠を入れていきます。

素早く旗金を並べ、両手で、二本ずつ、ほどよく閉め込んでいきます。

このとき、旗金がしなるほど締め付けないようにしてください。

特に、板が薄いときはなおさらです。


これで、一気に接ぎ合わせができました。

さて、最後の仕上げです。

この状態で、ヒートガン(大型のヘヤードライヤのようなもの)の先端に薄平の口金を

付けたもので、矧ぎ面を軽く熱していきます。

絶対に温度を上げ過ぎてはいけません。

じわ〜っとやんわり膠が溶けてきたら、目違いが出ているところを、指で押しながら

修正していきます。目違いが出ていないところも、やんわり熱を与えてあげると

膠が木材に浸透して、より良い状態になります。

 











 

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