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薄板、特に饗板材などのはぎ合わせについて、初心者でも比較的楽に、きちんと はぎ合わせできる方法について述べます。 他にも方法があると思いますが、私なりのやり方です。 室温はできれば20℃以上あったほうが、作業が楽です。 夏場に30℃以上あれば、作業はのんびり行えます。 まず、はぎ合わせする材料が、適切に加工され、矧ぎ面が十分に削り合わせされているものとします。 図に様に、馬になるような適当な大きさの角材を複数用意します。 矧ぎ面それぞれに、十分な膠水を浸透させ(筆などで)膠をなじませておきます。 吸い込みが多いときには、何度か繰り返します。 ここでいう膠水というのは、下図の膠鍋の、膠分が溶け出した、お湯の事です。 何回か使っていると、筆を洗ったりしているうちに、お湯に膠分が大分とけ込んでいます。 新規の場合には、膠そのものを筆に含ませ、お湯にさっと浸したりして、かなり緩くなった
マスキングテープ、クラフトテープなど、膠がくっつかないようにするための養生です。 それぞれ対になった「馬」と「押さえ」をゴムバンドなどでくくります。 この作業は、閉め金具で締めたときの反り止めです。 旗金を当てる位置に、図のように木片を置いておきます。 旗金が饗板材と矧ぎ面の膠に触れないようにするためです。 次に、旗金の長さを、予め程よい長さにしておきます。 膠を本付けする前の大事な作業です。 旗金の旗の部分に、饗板が痛まないように、当て木を当てるのも大事な事です。
さて、いよいよ本付けです。 長さの決まった旗金を一旦取り除きます。 矧ぎ合わせする板同士を2mm間隔を開けます。 膠を鍋に掛けていて、最適の状態になっているものとします。 筆に膠を十分につけ、2mmの間隔のところにす〜〜と引いていきます。 上の押さえ板のところにも、十分に膠を入れていきます。 素早く旗金を並べ、両手で、二本ずつ、ほどよく閉め込んでいきます。 このとき、旗金がしなるほど締め付けないようにしてください。 特に、板が薄いときはなおさらです。
さて、最後の仕上げです。 この状態で、ヒートガン(大型のヘヤードライヤのようなもの)の先端に薄平の口金を 付けたもので、矧ぎ面を軽く熱していきます。 絶対に温度を上げ過ぎてはいけません。 じわ〜っとやんわり膠が溶けてきたら、目違いが出ているところを、指で押しながら 修正していきます。目違いが出ていないところも、やんわり熱を与えてあげると 膠が木材に浸透して、より良い状態になります。
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