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西洋絵画の伝統的な手法のひとつで、金箔下地として、石膏と膠を混ぜて、「石膏膠」として 使われたりもしました。 膠(にかわ)とは、羊・牛・兎・鹿などの骨皮からコラーゲン(前の解説でゼラチンと言 いましたが勘違いでした)だけ取り出して水を溶剤にして固めたもの。製品としては、板状の ものと、顆粒のものがあります。ヨーロッパでは画材用の高級膠として知られる「兎の膠」は有名です。 街の画材屋さんで高価な膠として販売されているのがたぶんこれですが、楽器用は牛の膠のほうが 接着力が強いとされてますが、製作家によって、楽器の部所で使い分けしてますし、種類の違う膠 を組み合わせて使ったりしてます。また、接着力は弱いのですが、魚の膠も使われます。 楽器用としては、「顆粒膠」「粒膠」が入手しやすく、信頼性も高いと言えるでしょう。 いわゆる「三千本膠」は日本画でよく使われていますが、岩絵具や胡粉・水干絵具などを練るのに使う 日本画用下地処理用の膠で、接着力は楽器製作には向いていません。 「膠なべの自作」 使いかたとしては、2重のなべを使い、50度から60度くらいで「湯煎」します。 決してなべを沸騰させてはいけません。経験的にはガスコンロより、電熱器のほうが 安心でしょう。 濃度は、気温や湿度、また、用途に応じてまちまちです。弦楽器は、解体修理しやすい ように、部分的にとてもゆるい状態で使います。 冬場の膠の作業は大変です。まず室温を20度以上、湿度も加湿器を使って少しでも 多く湿気を与えます。あとは接着部分をヒートガン(ヘアードライヤーの大きいやつ) で暖めておきます。接着部分が冷えていると、筆などで膠を塗ると直ぐにゲル化して、 接着剤の役目を果たせなくなってしまいます。 また、木工では、古くからホルマリン水溶液と併用して、今で言えば、瞬間接着剤 のような使い方もします。日本の指物や象眼細工などもこの方法をとってきました。 ただしこの場合、硬化した後、蒸気などを与えても剥がせなくなります。 そうそう、楽器の接着剤の一番の要素は、解体修理がきくかどうかです。勿論、 音の問題や、長期間に渡って、テンションに耐えるかどうかも重要ですが、 湿気と熱をを加えると、比較的容易にバラせることが大切です。 但し、強めの膠の場合は相当覚悟がいります。 |
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