Gothic Harp
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Making #1

だいぶ以前に、Amazonで購入した
Ronald Zachary Talor著
「Making Early Stringed Instruments]
この中の、GothicHarpの図面をスキャナーで読み込んで、新たに CADで描き直しました。 この本は、実にアバウトで、大事な情報が何も書いていません。
いわば、アマチュア向けのハウツー本程度なので、仕方ないのかもしれません。
弦のデータが一切書いてありません。
使用弦の種類、弦長すら書いていないんです。 CADでの実測値を元に、ハープメーカーがサイトで公表している、自社製品のデータシート等と比較して、修正していくつもりです。

しかし、モダンハープの弦のテンションは相当な物があります。ですから、弦長と弦のピッチの選定は十分に検討しなくてはいけません。

今のところ、この図面を採用するかどうか決めかねています。 理由は、この楽器の構造では「良く鳴る楽器」にはなり得ないからです。 まず、響板が構造材も兼ねていて、メープルやバーチのソリッドなのですが板厚がかなりあります。 当時の宗教画に数多く登場していますが、さらに筐体の容積がとても小さいんです。 しかし、ルックスはとてもきれいです。 また金属弦を張った楽器も独特の魅力があります。要検討というところです。


ハープの自作サイトです。すごく参考になります。

BUILDING A CELTIC HARP
http://www.harpmaker.net/projectc.htm

Building a Folk Harphttp://www.osborneatelier.com/Harp_index.htm

Building the Lever Harp

http://www.sligoharps.com/btlh.html

 

2枚目の図面です

Making #2

ハープの弦を注文しました。
http://www.harpkit.com/Merchant2/merchant.mvc?Screen=CTGY&Category_Code=shep
この楽器用の弦です。1セット25ドル、運賃18ドルです。 このメーカーは、弦データを公開していますので、この弦長、ゲージ等を参考に図面を書き直しました。 楽器の図面を描く上で、弦長、弦のテンション計算が、最重要です。 これで一安心です。
注文した弦が、わずか4日で届きました。海外からの荷物がこんなに早く届いたのは初めてです。美しいカタログも同梱されてました。

 


ボディの木取りです。

材料は「アフリカン・パドウク」。YAMAHAなんかが木琴の鍵盤に使っていました。カンカーンと、とても響く材料です。色は紫檀、花梨のようですが、いわゆる堅木ほどではありません。


ボディのヘッド部分;ネックとの接合部はダボつなぎです。


ボディのボトムです。


ボディの組み立てです

Making #3


響板(表板)の接ぎ合わせの準備です。

材料;スプルース材。厚さ;3.5mmほどです。


背板のプレス。
背板の加工の写真がありません。撮らなかったようです。


ひっくり返したところ。
背板にリブを接着してあります。


ボトムのエンドブロックです。

表板の裏に、センターリブの接着。


今度は表板の表側に、センターストリップ(なんて訳しましょう?)接着。

表板の接着。裏返しの状態で行っています

Making #4


ネックとピラーの接着です。
ネックは整形して、チューニングピンの穴を開けておきます。

接合部は、一般的な平ほぞです。変形物の当て木は、滑り止めに#60の荒い布ペーパーを接着してあります。これで、滑ることなくクランプで締め付けることができます。


接着が済んだら、周囲を整形して、ルーターで面取りを施します。


響板の接着が途中ですが、ネック&ピラーを仮付けしてみました。
問題なさそうです。


筐体の接着が完全に固まるまで、ボディの側面にはめ込むモザイクを作りました。
作り方は、金太郎飴に似ています。 欅、カバ、黒檀を束ねて接着します。 固まったら、2ミリ厚にスライスしていきます。 チョコレートかクッキーにも見えます。

筐体を整形し、モザイクをはめ込みました。
一回目の塗装(サンディングシーラー)をしたところ。


モザイクはこのように左右3個づつつけました。

Making #5


ネック&ピラーとボディの塗装が済みました。
ネック&ピラーは、ボディに差し込むだけで、接着はしません。弦を張って、そのテンションでもって、一体化されます。


表面板のセンターストリップに真鍮のアイレット(ハトメ)を取り付けました。

モザイクのディテールも見えます。


やっとハープの形になってきました。

 

Making #6

 

やっと弦を張りました。

音域;G〜g” 3オクターブ 22弦 ナイロン弦
使用材料
響板;スプルース
ボディ;アフリカン・パドウク
ネック、ピラー;バーチ
製作日数;ほぼ4日
塗装が済んで、まだ一日しか経っていないのでまだまだ「押さえられたような」音です。
2週間くらい経つと次第に鳴りだし2ヶ月くらいでどうにか楽器らしい音になってくれるはずです(そうなって欲しいです)


そして更に、音域を、下に1音拡張しました。 ボディに1音分の穴を開け、ネックにチューニングピンを打ち込みました。 そして、音のピッチを「ティーフ・カマートーン」と呼ばれる、393Hzに下げました。 (現代ピッチよりほぼ1音低い)

弦のテンションが低くなったので、音色ががらりと変わりました。 私好みの「古楽器の響き?」です。

 

正月休みに、秩父のアマチュア制作家で、チェンバロ、ゴシック・ハープなどを作っている方
が遊びに来ました。 お会いするのは2度目です。 彼が作っている、ブレイピン付きゴシック・ハープは、ニュルンベルク博物館に所蔵されているオリジナルハープを元にしています。 一木からの刳り抜きの楽器は、ボディの容積があまりに小さいんです。 音量が出ないのは、構造的にも明白です。 ここで、素朴な疑問が・・・

写真;ニュルンベルク博物館に所蔵されているオリジナルハープと同型のもの
この当時、一方では、ケルティック・ハープのように、箱の容積が大きく
「良く鳴る」楽器があったにもかかわらず、なぜ、わざわざ「鳴らない」楽器を使ったのか・・・・
という疑問です。
彼曰く、私の作ったゴシック・ハープ(独自の設計)の方が、自分のより凄く「鳴る」とのこと。
それは、根本的に構造が違っているので、当然の結果とも言えます。
彼が持ってきてくれた、エリック・クライマンというハープ製作家の
中世からバロック期のハープについての短い論文は、とても興味深いことに触れています

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